映画『硫黄島からの手紙』『親父たちの星条旗』

 今日は映画「硫黄島からの手紙」と「親父たちの星条旗」です(website)。

 時間があったのてまとめて鑑賞しました。両作品とも監督はクリント・イーストウッドであり、同じ硫黄島の戦い(wikipedia)を題材にした映画です。前者が日本側から、後者がアメリカ側から、それぞれ硫黄島の戦いを描いています。

 ざっくりと感想を言えば、「硫黄島からの手紙」には監督の愛着が感じられず、「親父たちの星条旗」の手堅い作り込みとの落差が印象に残りました。誤解を恐れずに言えば、やっぱりクリント・イーストウッドもアメリカ人なのだと思いました。これは批判や皮肉ではなく、そういう特徴があるという指摘です。

 「硫黄島からの手紙」は何が主題なのかはっきりしないまま物語が進行して終わっていきます。これはこれで、硫黄島の戦いがいかに混乱を極めたかを表現する手法であるとも評価することができるでしょう。が、やはり映画としては中身が薄いです。せっかく渡辺謙を起用したものの、彼の魅力を引き出してもいません。

 一方、「親父たちの星条旗」は映画としてまとまっていました。戦場では人の良いヤツから死んでいく、生き残った連中は英雄に仕立て上げられる、本人たちは俺たちは英雄なんかじゃないと悩む、標準的な戦争映画といった感じです。それだけに大きな衝撃はないですが、じっくりと作り込んであると思いました。こちらには監督の愛があります。

 いずれにせよ、両作品とも映画してはそれほど面白い作品ではありません。が、戦争の実情を描き出すことには一定成功しています。戦闘場面は現実感にあふれており、人が死んでいく悲壮感や虚無感が否応無しに伝わってきます。戦争記録映画としては見るべきところがあります。

 もちろん、それは硫黄島の戦いを題材としなくても可能です。事実、両作品とも硫黄島の戦いを掘り下げているわけではありません。戦争映画としてよくある論点を取り上げているのみです。とにかく戦争映画を撮るために、たまたま耳目を集めそうな硫黄島を題材にしたとも言えそうです。

 以上、やや否定的な感想ですが、実際に感じたところを正直に書きました。有名な監督が製作した話題の作品ですから、一度は鑑賞しておくべきでしょう。が、それ以上ではないと思います。そんだこんだで、戦争映画を見ながら一日を過ごした終戦記念日でした。

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benyamin ♂

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