亭主関白

 今日は亭主関白です。

 亭主関白とは、家庭で父親がその他の家族を専制的に支配することです(参考:Wikipedia)。簡単に言えば、お父ちゃんが誰よりも一番偉く、威張っている状況です。男尊女卑という旧来的価値観を表す言葉として、現在ではあまり用いられなくなりました。

 が、これは本当に男尊女卑なのか考えてみる必要があると思います。もちろん、実際には男尊女卑思想を色濃く反映しているのですが、それだけではない側面も見なければならないということです。

 関白とは公家が登り詰める最高の官位です。関白が実質的に国の政務を取り仕切ります。この意味では関白は支配者です。とはいえ、関白は天皇の代理人でしかありません。国の支配者は天皇であり、関白はその権威を借りて政務を代行しているに過ぎません。

 同様に、家庭で父親が関白だと言う場合、親父以外に天皇の存在が前提とされています。関白は支配者たる天皇ではなく、その代理人であるのですから、関白を名乗る以上、天皇がいなければなりません。

 家庭における天皇とは誰か。これは他でもなく、母親ではないでしょうか。つまり、亭主関白とは父親が威張り散らすことを示しているのですが、同時に、母親が天皇であることを認めているのです。見た目は男尊女卑かもしれませんが、その裏には関白による天皇に対する深い尊敬が隠されているのです。

 かの有名な、さだまさしの「関白宣言」も、こうした観点から聞いてみると、新たな発見があるでしょう。

 ……というようなことを思いついたのですが、すでにほぼ同じことを書いている本があるようです。天野周一『妻の顔は通知表−新!亭主関白宣言』(2006年、講談社)です。まだ読んでいないのですが、amazonのレビューでは「関白たる亭主は天皇である妻に尽くすべきだ」と内容が紹介されています。うーむ。先を越されたか。

 なお、著者の天野周一は全国亭主関白協会の会長さんです(参考:website)。協会の名前は荘厳ですが、内実は夫婦生活を円滑にするためのノウハウが紹介されています。基本路線は妻=天皇であり、その天皇にいかに尽くすかが楽しく語られています。これを情けないと見るか処世術と見るか、意見が分かれるところでしょうが、いずれにしても愉快に夫婦生活を過ごそうとしている姿は微笑ましいものがあります。

 そんだこんだで、結婚もしていないのに、しかもその予定も全くないのに、亭主関白だの何だの言っている私でした。

自己紹介

benyamin ♂

2012年5月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

月別アーカイブ

Powered by Movable Type 5.13-ja
Support Wikipedia