覚書 071217

「イギリスの仕事をイギリス人労働者に 首相発言をめぐり論争広がる」労働政策研究所・研修機構『海外労働情報』2007年12月。
・ブラウン首相は9月、英国労働組合会議(TUC)の大会や労働党大会などで、「イギリスの仕事をイギリス人労働者に(Brtish jobs for British workers)」との方針を表明し、イギリス人に優先的に雇用を割り当てる一連の政策案を発表した。これに対し野党からの批判が相次ぎ、また労働党内部からも異論の声があがっている。
・ブラウン首相はTCU大会での挨拶で、現在イギリス国内にある60万人を超える求人が、技能のミスマッチや企業と求職者の間のマッチングの不十分さから充足されていないと主張し、失業者や労働市場から離れているイギリス人への優先的な雇用の斡旋などで、今後数年で50万人の雇用創出を目指す、との方針を示した。
・その中核は、「雇用パートナーシップ」協定だ。企業との間に長期失業者を雇用する約束を取り付け、その協力をえながら、就労に適した訓練などを政府が行なうという政策で、2010年までに25万人の雇用創出を見込んでいる。既に、10月末までに100社以上との締結が完了した、と政府は発表している。
・政府がイギリス人優遇を打ち出す理由の一端には、近年の移民増加に伴う雇用や治安などの問題に関する国民の不安の高まりを緩和するねらいもあるといわれている。
・これに対して、野党からは、一連の政策案が人種差別的・排外主義的であるとの批判や、その効果自体を疑問視する声が出ている。
・会計監査院(National Audit Office)が先頃公表した調査結果によれば、求職者給付から就業した人々の4割が、半年後には再び失業して受給者となっており、こおうした反復受給者が毎年新規に申請される240万件の約三分の一を占めるという。さらに、失業給付の受給と就業との間を行き来する人々の割合は、1980年代から変わっていないとの結果が明らかとなった。この10年で失業者自体は減少したものの、継続的な就業には必ずしも結びついていなかったことが判明した格好だ。(報告書を探しておく)

鳥毛拓馬「英国のキャピタル・ゲイン課税の見直し」大和総研『制度調査部情報』2007年12月12日。
・英国では、個人が資産を処分して得たキャピタル・ゲインについて、総合課税方式が採用されている。税率は、10%(2,230ポンド以下)、20%(2,230〜34,600ポンド)、40%(34,600ポンド以上)の三段階に分けられている。
・課税所得については、1. 損益通算、2. テーパー・リリーフ制度の適用、3. 基礎控除制度の適用後の金額をもとに算出する。(覚書注:適用後金額に10〜40%の税率を課す)
・損益通算:キャピタル・ロスを同一年度のキャピタル・ゲインからのみ控除できる。
・テーパー・リリーフ制度(taper relief):1998年以降のキャピタル・ゲインについて、事業資産・非事業資産の別に応じて、資産の保有期間毎に、所得の100〜25%を課税所得とする。
・基礎控除制度(AEA):土地などの譲渡益と合わせて年間9,200ポンドが控除(The Anuual Exempt Amount:AEA)される。
・2008年4月6日以降、キャピタル・ゲイン課税について、原稿の三段階方式を廃止し、保有期間や所得水準に関わりなく一律18%の税率にする案が大蔵省より提示された。(覚書注:段階税率とテーパー・リリーフ制度の廃止。英国の税年度は4月6日〜4月5日である)
・現行制度では、事業資産のキャピタル・ゲインとして、最低10%の税率が適用されているに過ぎないが、今般の改正により大幅な増税になることは免れない。(覚書注:2年以上保有している事業資産からの34,600ポンド以上のキャピタル・ゲインに対する課税が10%から18%へと上昇し、約2倍の税率となる。が、2年以下の保有期間の事業資産、あるいは期間に関わらず非事業資産からの34,600以上のキャピタル・ゲインに対しては最大6割減の減税となる。高所得者は基本的に減税である。その一方で、2,230ポンド以下のキャピタル・ゲイン所得に対する税率は全体的に2倍から3倍の上昇となる。低所得者に対しては改正により増税となる)
・現行税制では、非居住者はNon-Domicileと区別され、英国外で生じた所得に対しては英国に送金しない限り非課税とされている(remittance basis)。今般の改正案では2008年4月6日から、英国に過去10年間のうち7年以上滞在しているNon-Domicileは、全世界の所得を申告所得に含め納税するか、あるいは、年間30,000ポンドを所得額にかかわらず払うか、のいずれかを選択しなければならないとされている。ただし、1,000ポンド以下の場合は課税対象とならない。

「主要国の政治動向 英国」国際金融情報センター、2007年12月4日。
・2007年5月2日:地方選挙。(野党・保守党が優勢に)
・2007年5月10日:ブレア首相、6月27日の退陣を発表。
・2007年6月27日:ブラウン首相就任、労働党新内閣発足。
・2009年:総選挙。

「主要国の金融政策動向 英国」国際金融情報センター、2007年12月4日。
・現行政策金利:5.75%(11月8日は据え置き。2006年8月からの引き締め局面では5回にわたり、計1.25%引き上げ。8月以降、4回据え置き。次回決定は12月5日〜6日)

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benyamin ♂

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