覚書 071230

猿渡英明「SRI欧州経済ウォッチ <ユーロ圏・英国> 08年は概ね潜在成長率程度の成長を予想」新光総合研究所『欧州経済概観』No.07-31、2007年12月18日。
・英国景気は、これまで個人消費や固定投資といった内需を軸に堅調な回復を続けてきたものの、1.BOEが昨年8月から利上げを継続してきたこと、2.米サブプライム問題を背景とした金融市場の混乱が続いていること、などにより、やや減速の兆しが出始めている。新興諸国などの海外需要には期待しづらいことに加え、英国経済は消費のウェートが高いため、消費が鈍化すれば、企業の投資活動にも影響が出やすい。このため、2007年末から2008年半ばにかけては、内需を中心とした緩やかな減速局面が続くことになろう。もっとも、英国は製造業部門のウェートが低いため、景気循環が大きく波を打つことはまれであり、景気が大きく減速するとはみていない。サブプライム問題の動向にもよるが、景気は2008年末から2009年に向けて再び持ち直しの動きに転じよう。
・BOE(イングランド銀行)は12月の金融政策決定会合において、0.25%の利下げを決定した。市場予測よりも速い利下げとなった。今後も、なお景気減速懸念が続いていることを踏まえると、2008年年初に追加利下げが実施される公算が大きい。
・米サブプライム問題に対して様々な対応がとられているが、1.証券化商品のリプライシングが十分でないこと、2.原資産の価格が底打ちしないこと、により、サブプライム問題による損失が確定されていないことが根本的に問題か。そして、金融機関の損失が確定できていないことが、銀行間金利の上昇や資本不足の懸念を生み、それが景気悪化懸念へとつながっている。(覚書注:日本の不良債権とまったく同じ構造である。おそらく対応策としても日本のように塩漬けが中心となるだろう。)
・BOE金融政策決定会合(12/5〜6)。政策金利を0.25%引き下げ、5.50%にすると決定。過去2年間に渡って拡大し続けてきた支出行動に減速の兆しが現れている。金融市場の混乱や信用の引き締まりにより、景気がさらに下押しされるリスクがある。CPIは短期的には2%を超えて推移するものの、需要鈍化により中期的にはターゲット近辺での推移となろう。
・インフレ懸念が続くなか、景気減速懸念が優先されるかたちに。景気減速による需給ギャップの緩和により、インフレ圧力が低下するとされる。
・消費関連指標には、個人消費の減速はさほど明確に現れていないものの、急速な価格低下は需要低下のサインか。

小宮隆太郎「西北欧諸国と英国の経済的躍進 経済問題:WHY?」経済産業研究所、2007年12月18日。
・私が1986年に英国に2ヶ月間滞在した当時、英国では他の欧州諸国に比べてマクロ経済パフォーマンスが著しく悪く、その頃までの英国は慢性の「英国病」(British disease)患者だといわれていた。
・サッチャー首相が1978−79年、1984−84年の炭坑労働組合の2度の長期ストを一歩も譲歩することなく乗り越えてから、15−20年の間に、慢性の「英国病」の患者だった英国経済はすっかり蘇ったのである。インフレ率・失業率は劇的に低下し、経済成長率はほぼ一貫して大陸諸国よりも高かった。そして英国の所得水準は今やドイツ・フランスのみならず日本をも追い越す高水準に達している。
・1980年代中頃の英国の大学人・知識人のサッチャー批判は、基本的に間違っていたのではないか? また日本では、サッチャーと米国のロナルド・レーガンと一纏めにして「新自由主義」というレッテルを貼り、小泉元首相はその亜流だと批判する論者が少なくなかった。そういう「分類学」ではサッチャー革命の大部分を継承した労働党のトニー・ブレアも「社会主義者」ではなく「自由主義者」になってしまうが、それはかなり見当違いではなかろうか?

倉橋透「イギリス、オーストラリアにおける住宅金融市場の証券化の歴史と現状(上)」『海外金融セミナー』2007年秋。
・今回の稿では、イギリスにおける証券化のストラクチャー、歴史、現状(プレーヤー、証券化の目的、規模、プライム市場及びノンコンフォーミング市場の状況、証券化のメリット及びデメリット)について述べる。
・Hoimans, Alan, Noah Kofi Karley and Christine Whitehead [2003] "The mortgage backed securities market in the UK: overview and prospects", The Councile of Mortgage Lenders.
・Datamonitor [2005] "Mortgage funding and securitization in the UK: The last battle in the mortgage market".

総務省情報通信政策局情報通信利用促進課「諸外国における高度ICT人材育成」2007年12月17日。
・ICT市場の規模・成長率:ICT支出額は1,615億ドル(2005年)。
・Cabinet Office, Transformational Government, 2005:政府および公共セクターにおけるITプロフェッショナルの育成。
・CIO Council:Chief Information Officer。2005年にブレア政権下の内閣府によって設置。ITによって政府の変革を推進し、効率的な公共サービスの提供を目指す。上記報告書にある人材育成を主たる活動とする。
・The Confederation of British Industry, Building a globally Competitive IT services Industry, 2006:ITサービス産業の競争力強化に関する提言。国内では、高付加価値業務に重点をシフト。高付加価値業務を担う人材育成の必要性を提言。
・Sector skills Councils:政府が各産業分野毎に認定・助成したSSCが、各産業分野における労働者の技能開発を担当。
・e-skills UK:非営利の業界団体。IT分野のSSC。戦略立案と能力開発が活動内容。

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benyamin ♂

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