『レアメタル資源争奪戦』

 今日は中村繁夫『レアメタル資源争奪戦 ハイテク日本の生命線を守れ!』(2007年、日刊工業新聞社)を読みました。

 レアメタルとは文字通りレアなメタルです。埋蔵量が少なかったり埋蔵地が偏在していたりして、供給が相対的に非常に少ない金属のことです。具体的に日本では31鉱種47種類の金属がレアメタルだとされています。

 レアメタルはただ少ない金属ではなく、相対的に少ないという点が特徴です。つまり、レアメタルは存在量が稀少であるにも関わらず、産業活動には欠かせない存在なのです。とくにIT関連部門ではレアメタルなしには何もできないと言っても過言ではないと思います。

 たとえば、ノートパソコンや携帯電話の充電池にリチウムが使われています。このリチウムもレアメタルです。リチウムのおかげで、エネルギー密度を高めることができ、充電池の小型化が可能になったのです。

 先端技術産業を維持し、発展させるためにもレアメタルは不可欠です。しかしながら、レアメタルは中国やに支配されつつあります。なぜなら中国には多くの種類のレアメタルが埋蔵されているからです。

 後進国であった中国にとってレアメタルはさほど重要ではなかったので、その多くを日本が輸入していました。が、経済発展に伴い中国でもレアメタル需要が増大しました。その結果、中国は輸出を抑えて自らが消費するようになったのです。

 中国の輸出抑制政策は単純かつ強力です。レアメタルの輸出に税金を課すのです。2006年に原則5%の課税を実施することが決定されました。将来的には税率が20%まで引き上げられることが予測されています。

 本書ではこのままでは日本がレアメタルを入手できなくなると警告しています。中国による囲い込みを牽制しつつ、国内外で独自にレアメタル鉱山を探鉱し開発していくことが求められます。と同時に、国内にあるハイテク製品のレアメタルを再利用することが本書では提唱されています。

 レアメタルの再利用は、陳腐な対策かもしれませんが、すぐにでもできることだと感じました。日本では多くのIT機器が使用されています。それゆえ廃棄される機器も多いので、そこからレアメタルを抽出して取り出し、再び使える金属にすることで、資源難に対応することはできます。

 著者は商社で30年間、レアメタルの買い付けを行なっていた人です。レアメタルの動向を肌で感じてきた著者が書く本書は非常に説得力があると思いました。とくにレアメタル不足の対策として打ち出しているリサイクルは魅力的です。効率的で効果的なリサイクルが確立すれば、資源が少ない日本には実はたくさんの資源が眠っていると言えるような状況になると思います。

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benyamin ♂

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