日本経済新聞社の年金制度改革案

 今日は日本経済新聞社の年金制度改革案です。

税方式に全面移行
 基礎年金の財源を保険料から全額消費税に置き換える
 税率の上げ幅は5%前後
 置き換えで全体の負担に増減は生じない
給付水準は現状維持
 月額給付は満額で6万6000円
 国内居住10年程度を支給要件に
 移行期間は旧制度に基づく保険料負担を給付に反映
 年金課税を強め高所得者への給付を抑制
 支給開始年齢の引き上げを検討
制度安定へ成長促進
 3.7兆円の企業負担軽減分は非正規労働者の厚生年金への加入拡大に
 成長戦略や少子化対策を充実
 与野党は党派を超えて成案を

出所:『日本経済新聞』2008年1月7日付1面

 独自研究会によって報告された改革案です。非常に簡潔であると思いました。おそらく、これは考え方や目指すべきかたちを提示したものでしょう。詳細な部分については議論を積み重ねていくことになるでしょう。

 避けられない問題は現在の制度との整合性でしょう。これは言い換えれば政治の問題です。現在の年金制度は自分が積み立てた保険料を老後に受け取るという考え方を前提としていました。自立の精神です。この精神との整合性が問題になります。

 年金改革案は民主党を始め、政治側でも多くの案が提起されています。それらはほとんど複雑な内容になっています。同じ税方式を提案する場合でも、日本経済新聞の案と違って、必ず保険料方式の部分を残しています。それは現行制度との整合性を考えているためです。

 日本経済新聞社が今回提示した改革案は、政治をすっ飛ばして議論できる新聞社ならではのものです。純粋に年金制度として検討した結果、税方式の導入を提起しています。実際の制度への適用を念頭に置いた場合、やはり限界のある議論だと思います。

 ただ、余計なことを含んでいないという意味では意義があると思います。今後、年金制度改革は確実に行なわれるでしょうが、今回の改革案は、そこに向けた議論の枠組みとして活用されることになるでしょう。そうした位置づけのある改革案であると私は考えます。

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benyamin ♂

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