消費税の年金財源化

 今日は消費税の年金財源化です。

基礎年金の全額税方式を提案…麻生氏、中央公論に論文

 自民党の麻生太郎・前幹事長は9日発売の中央公論3月号で、基礎年金を全額税方式とする年金改革案を示し、その財源として消費税率を10%に引き上げる考えを盛り込んだ論文を発表する。
 「ポスト福田」の有力候補との見方もある麻生氏が、民主党などと同様に基礎年金の全額税方式を提案したことは、党内外の反響を呼びそうだ。
 論文は「これが安心を取り戻す麻生プランだ」と題して、「政府がどんなに『100年安心』をうたっても、もはや信用する人は誰もいない。抜本改革しか国民の信頼を取り戻すすべはない」と強調。基礎年金の全額税負担と消費税率を10%に引き上げる必要があるとした。厚生年金については、事業主による保険料の半額負担をなくし、企業の負担軽減分は賃上げに回すよう求めている。
 また、基礎年金を全額税負担に変更しても、保険料を負担してきた人と未納の人の不公平が生じないよう、保険料を納めてきた人には「プラスアルファ分の支給」を提案している。
 消費税率引き上げの影響については、月額1万4000円程度の国民年金の保険料負担がなくなることで、「消費が大きく冷え込むことはない」との見方を示している。麻生氏はこれまで大幅な消費税増税には慎重だったが、「責任ある政治をするため、安心できる社会をつくるためには避けて通れない」と強調している。
2008年2月8日03時04分 読売新聞

 非常に良案ではないでしょうか。というか、そもそも年金財源の全額税方式は良案なのですが、それを自民党幹部の麻生太郎が主張していることに意味があると思います。税方式については自民党が反対をしていたからです(参照:Wikipedia/財源方式を巡る議論)。

 反対意見の中軸は生活保護との混合を指摘するものです。年金が税方式に移行してしまうと、同じく税金を財源としている生活保護との違いが薄くなってしまいます。現行制度でも、老後の生活を保障する年金と、困窮者の生活を保障する生活保護とは制度的に重なるところがあります。財源までもが同じになってしまうと、制度の運営いかんによっては重複支給となってしまうため、いずれかの給付水準が、あるいはどちらの給付水準も下げられてしまう可能性があります。いやむしろ、効率化の観点から言えば、引き下げるべきだとされるでしょう。

 生活保障としての両制度を維持するためにも財源を別にしておいたほうが良いということです。言い換えれば、いわゆる応益原則に基づいて、負担を給付の関連を明確にしておかなければならないということです。この点は税方式導入を議論する際の最大の論点になると思います。麻生論文はまだ読んでいませんが、そこではこの論点がどのように扱われているかに注目する必要があるでしょう。記事では、反対意見について、保険料の納入者と未納者の不公平性しか指摘されていませんが、実際の論文ではどうなっているのでしょうか。

 税方式の問題のみならず、財源となる消費税自体にも問題はあります。生活との関わりで言えば、所得が低い人ほど負担が重くなる逆進性が重要論点になります。イギリスでのように食料品を非課税にして逆進性を和らげようとせずに、年金のためだからと消費税の増税が受け入れられるでしょうか。財源では消費税よりも所得税と法人税に目を向けるべきです。これまでの年金保険料を廃止するのであれば、その分の増税は認められても良いと思います。

 年金財源の税方式化には私も賛成です。ただ、大枠では賛成なのですが、いくつかの論点を検討しなければならないと考えています。多くの問題点をすべて解消することは難しいでしょうが、十分に配慮して対応できるような制度設計をしなければなりません。麻生論文がこうした作業にどの程度貢献できるのか、大いに期待しています。

【天気】
昼過ぎから雪が降り、5cmくらい積もった。
18時頃に降り止んだ。道はぐちゃぐちゃ。

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benyamin ♂

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