覚書 081020

藤森克彦「23 イギリスの年金制度」『年金と経済』Vol.26、No.4、調査研究シリーズ(各国の年金制度)、2008年1月20日。
・公的年金の体系は、「基礎年金」と「不加年金」の二階建て構造となっている。ただし、一定の要件を満たす私的年金に加入する被用者には付加年金への加入を免除する「適用除外制度」が設けられている。現在、被用者の約6割が適用除外制度を活用しており、私的年金による公的年金(付加年金部分)の代替が進んでいる。
・基礎年金、付加年金ともに、賦課方式によって運用されている。公的年金の財源は、「国民保険料」によって賄われており、国民保険料は、求職者手当、労働災害などを包括した総合的な保険制度の財源であるが、公的年金支出が歳出全体の8割程度を占めている。
・基礎年金と付加年金ともに、賦課方式で運営されており、公的年金の積立金は2ヶ月程度しかない。
・年金生活者の貧困問題への対応として、1999年に「最低所得保証」が設立された。これは高齢者を対象にした特別な公的扶助制度である。給付水準を高めに設定したことと、資力調査を緩和して高齢者が受給しやすくした点に特徴がある。2003年には、「最低所得保証」に代わって「年金クレジット」が導入された。年金クレジットの特徴は、最低所得保証を「保証クレジット」として継承するとともに、新たに貯蓄をすればその分給付が増える「貯蓄クレジット」を導入して貯蓄インセンティブを高めたことにある。

大政美樹「主要国の金融政策動向」国際金融情報センター、2008年10月3日。
・英国:5.00%
・9月3?4日は据え置き。4月に2007年12月以降3回目の利下げ(0.25%ポイントずつ)、その後は5ヶ月連続で据え置き。景気は停滞するも、インフレ率は中銀目標を大きく上回っている(7月:4.4%、8月:4.8%)。次回会合10月8?9日。

大政美樹「主要国の政治動向」国際金融情報センター、2008年10月3日。
・英国:2009年総選挙(予定)

三菱東京UFJ銀行「経済マンスリー 欧米協調利下げに続き、英国とユーロ圏諸国が金融危機対策を発表」2008年10月16日。
・国際通貨基金(IMF)は、最新の「世界経済見通し」の中で過去30年間の金融危機についてまとめ、金融危機が景気悪化を招くリスクは、1. 住宅価格の上昇、2. 貸出等の信用の伸び、3. 企業・家計の借り入れ依存度、などの危機発生以前の初期条件に左右されると分析している。このうち、1と2についてサブプライム問題発生以前の状況を比較すると、アイルランド、スペイン、ギリシャのリスクが相対的に高いが、足元では、子会社などを通じて進出した海外の不動産ローン事業の焦げ付きや保有する証券化商品の損失などから、ドイツ、ベネルクスの銀行が経営危機に陥るなど、思わぬ先に混乱が広がっている。
・10月8日に英国政府が、1. 短期流動性の十分な提供、2. 銀行やビルディング・ソサイエティの資本増強のための公的資金の活用、3. 貸出原資となる中期資金の調達に際しての政府保証の提供、を柱とする銀行支援策を公表し、13日に、英国の大手銀行3行に対する370億ポンドの公的資金による資本注入が発表され、市場はやや落ち着きを取り戻した。
・金融市場の混乱により、金融機関の資金調達が難しくなったため、金融機関の貸出姿勢が厳格になり、住宅ローン承認件数が減少、さらに住宅価格の下落につながっている。銀行の貸出姿勢が緩和に転じなければ、住宅価格の下落に歯止めがかからない。大手3行への公的資金の投入については、今後3年間、2007年並みの競争的な金利で個人向けの住宅ローン、中小企業向けのローン提供が条件となっており、住宅市場活性化の一助になるとは思われるが、他の多くの金融機関にこの動きが広がらなければ、住宅価格の下落は長期化するうえ、実体経済の回復も遅れることになろう。
・9月の消費者物価上昇率は前年比5.2%と前月の同4.7%からさらに加速した。原油価格や穀物価格が下落したことから、ガソリンなどを含む個人輸送費や、食品価格は減速したが、電気・ガスを含む公共料金が、大幅引き上げにより前年比39.5%と急上昇したことが全体の物価上昇率を押し上げた。電気・ガス料金の大幅引き上げの影響は今後も続くとみられ、当面消費者物価上昇率は高い水準で推移する見込みである。こうしたなか、イングランド銀行は、10月8日に、FBRやECBと協調して50bpの緊急利下げを実施し、政策金利であるレポ金利を4.5%とした。米国や欧州大陸においても、金融株を中心とした株価の下落が続いたうえ、短期金融市場の機能停止状態が続いていることから、主要中銀が協調して利下げを行った。しかし、その効果は限定的で、金融市場はその後の政府の銀行支援策でいったん落ち着きを取り戻したものの、以前不安定な状況が続いている。

伊藤さゆり「欧州の金融危機 続く拡大防止への取り組み」ニッセイ基礎研究所『Weekly エコノミスト・レター』2008年10月17日。
・安定化策の公表後に、実際に公的資金注入が決まったのはイギリスのRBSの200億ポンド、合併を決めているHBOSとロイズTSBへの170億ポンドである。政府からの自己資本の積み増しを要請されているバークレイズ、HSBC、スタンダード・チャータード、アビー・ナショナルなど他の大手行は自力で調達する方針である。フランスの公的資本の注入も詳細の公表までにはまだ時間がかかる見通しであり、ソシエテ・ジェネラル、BNPパリバ、クレディ・アグリコールの大手3行は現時点では公的資金の受け入れに慎重な姿勢を示している。ドイツでも公的資本の注入は強制ではないため、大手行は今のところ公的資金の受け入れに消極的で、当面はかねて再編が必要とされていた州立銀行が中心になりそうだ。銀行の保護に必要な措置は講じるとの立場から特定の財源を設けていなかったイタリアでも66億ユーロの増資計画を公表している最大手のウニクレディトを除いて増資の必要はないとされている。
・危機の地域的拡大による連鎖への不安もある。ドイツ、イギリス、フランスなどのEUの主要国では大規模な対策がまとまった。しかし、単一市場を形成するEUの加盟国は27あり、対応力の限られる中小国には不安が残る。また、EU内では、金融統合が進む半面で、ユーロ圏15カ国と非ユーロ圏の間には通貨変動のリスクがある点にも警戒が必要だ。2004年5月以降にEUに加盟した中東欧などの市場では、EU旧加盟国の金融機関が銀行総資産の7割という高いシェアを占めており、EUの金融機関の貸し出しスタンスの変化が実体経済に及ぼす潜在的な影響は大きい。また、自国通貨制度を維持しているにも関わらず、国内でのユーロ建て預金・貸出も定着しているため、資本の流出が加速して、対ユーロの為替相場が大きく下落することになれば、自国通貨建てでみた債務の返済負担が増大、経済・金融危機に発展しかねないのである。

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benyamin ♂

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