覚書 081028

緒方俊則「地域間の財源調整と自治体の財源確保」自治体国際化協会『分野別自治制度及びその運用に関する説明資料』No.3、2007年7月。
・日本の国民経済において、2004年度、国内総支出は496兆1,970億円となった。そのうち政府部門は22.9%を占める。地方政府と中央政府に分けて国内総支出に占める割合を見ると、中央政府の4.1%に対し地方政府は12.3%となる。地方政府の支出規模は中央政府の3倍であり、日本の国民経済にとって地方公共団体の占める役割は大きい。
・地方公共団体の財源には、使途が特定されていない財源と使途が特定されている財源がある。地方公共団体が自立した財政運営を行っていくためには、使途が特定されてない財源を必要とすることが極めて重要になる。その使途が特定されていない財源を「一般財源」と呼ぶ。2004年度の地方公共団体の歳入内訳をみると、都道府県と市町村の純計で、一般財源は52兆8,278億円で56.5%を占める。内訳を見ると地方税(35.9%)、地方交付税(18.2)が主要な要素となっていることがわかる。都道府県の歳入に占める一般財源の割合は54.1%である。市町村においても56.0%とほぼ同じ水準となっている。なお、一般財源とは逆に、使途が特定されている財源のことを「特定財源」という、その代表例には国庫補助負担金がある。
・歳入総額中に占める地方税収入が大きいグループでは地方交付税は歳入中の6.2%額に過ぎない。その一方で、歳入総額中に占める地方税収入が小さいグループでは地方交付税の割合は歳入中31.9%となっている。一般財源が占める割合の平均が49.6%であるが、財政力が大きいグループも小さいグループも地方交付税の多寡によって調整が図られ、一般財源ベースではほぼ均等な水準になっていることがわかる。
・地方交付税法第1条は、地方交付税の目的を、地方団体の自主性を損なわずにその財源の均等化を図り、交付基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することにより、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化すること、と謳っている。ここで明らかなとおり、地方交付税は2つの機能を持つ。1つは財政調整機能である。地方団体間には財政力の格差があるが、地方交付税を適正に配分することにより、この格差の是正を図るということである。2つ目は財源保障機能である。これには2つある。1つは地方財政全体の財源を保障するという機能であり、マクロの財源保障機能といわれるものである。地方交付税の総額は国税5税の一定割合として法定されているが、このことによって、地方財政全体の財源が保障されているということである。2つ目は、個々の地方団体の財源を保障する機能であり、ミクロの財源保障機能といわれるものである。地方交付税は基本的に、基準財政需要額、基本財政収入額という客観的・合理的な基準により個々の地方団体の財源不足額を算出し、その額について交付される。この仕組みにより、どの地方団体に対しても必要な財源を保障しているということである。
・国と地方の歳出について、2004年度、国の歳出は59.9兆円、地方の歳出は89.9兆円であり、割合はおおむね2:3(42:58)となっている。これに対して、2004年度に国民から納められた税は、国税48.1兆円、地方税33.5兆円となっている。その割合はおおむね3:2(59:41)であり、地方の税収が相対的に小さい。地方交付税は、国と地方の税源配分の一環として、この歳出規模と地方税収入の乖離を補完するものである。
・地方交付税の総額は、国税の一定割合を基本として決定される。対象は、国税の中でも基幹的な税であり、制度創設以来、所得税、法人税、酒税の3税であったが、1989年度(平成元年)に消費税、たばこ税が加えられた。2006年度の状況は、所得税収入額、酒税収入額のそれぞれ32%、法人税収入額の35.8%、消費税収入額の29.5%、たばこ税収入額の25%となっている。
・2006年度、国税の一定割合として算出した金額は12兆5,267億円となっている。そして、特例措置がとられた結果、実際に地方交付税として地方公共団体に交付される総額は15兆9,073億円となっている。

小山永樹「自治体のサービス提供の効率化 指定管理者制度、民間委託などの民間企業の活用」自治体国際化協会『分野別自治制度及びその運用に関する説明資料』No.4、2007年7月。
・地方自治体においても、公共サービスの提供に民間企業を活用する様々な取り組みが行われているところであるが、本稿では、我が国の自治体において従来から取り組まれている民間委託の他、近年において制度化され、その活用が注目されている指定管理者制度、PFI、市場化テストについて、その概要を解説する。
・公共部門における外部委託は、経済合理性や政策目的の追求のために、行政の内部事業や住宅サービスを、行政の外部に委託するものである。国や地方自治体は、事務・事業を直接処理せず、監督権等の行政責任を果たす上で必要なものを保留した上で、民間企業等の他の諸団体や個人に委託することとなる。地方自治体における民間委託もその1つである。
・都道府県における一般事務の委託率については、本庁舎の清掃及び情報処理・庁内情報システム維持において100%となっているほか、道路の維持補修・清掃等94%、ホームページ作成・運営85%、本庁舎の夜間警備業務81%などが高い。一方、公用車運転業務21%、学校用務員事務23%、電話交換業務42%などが低い委託率となっている。同じく施設の運営事務の委託率については、病院100%、県民会館・公会堂99%、陸上競技場99%、図書館98%、都市公園95%など全般的に高いが、うち全部委託の割合は、病院6%、図書館5%など低いものもある。
・一般事務における市区町村総計の委託実施団体の比率については、高いものとしては、住宅配食サービス96%、ホームヘルパー派遣91%、本庁舎の清掃86%、一般ごみ収集84%、水道メータ検針及び情報処理・省内情報システム維持で82%となっている。逆に、比率が低いものとしては、案内・受付業務20%、学校用務員事務20%、公用車運転29%などとなっている。団体区分別に見ると、概ね団体規模が大きいほど委託実施団体の比率が高い傾向にあり、特に案内・受付業務や電話交換業務、学校給食、水道メータ検針、道路維持補修・清掃等では、市区の委託実施団体の比率は町村に比べてかなり高くなっている。施設の運営事務における市区町村総計の委託実施施設の比率については、高いものとしては、下水終末処理施設92%、都市公園91%、病院及びコミュニティセンターで90%、温泉健康センター及び市(区町村)民会館・公会堂88%などとなっている。逆に、比率が低いものとしては、保育所60%、診療所63%などとなっている。団体区分別に見ると、町村では、委託実施施設の比率が6割未満の施設項目が5あるのに対し、市区では、ほとんどの施設項目において7割から9割以上の委託実施施設の比率となっているなど、施設全般にわたり町村に比べて市区の委託実施施設の比率が高い傾向にある。
・公の施設の管理のあり方の見直しについては、総合規制改革会議や地方分権改革推進会議でも指摘され、これらを踏まえ、公の施設の適正な管理の確保のため、受託主体の公共性に着目してきた従来の考え方を転換し、管理の受託主体を法律上制限することをせずに、必要な仕組みを整えた上で、その適正な管理を確保しつつ、住宅サービスの質の向上にも寄与するよう自治法の改正が行われ、2003年9月に施行された。これが指定管理者制度である。
・地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であって当該地方公共団体が指定するもの(「指定管理者」という。)に当該公の施設の管理を行わせることができる。この条例には指定管理者の指定の手続、指定管理者が行う管理の基準及び業務の範囲その他必要な事項を定めることとされている。
・総務省の調査によると、指定管理者制度の導入状況の概要は以下の通りである。指定管理者制度が導入されている施設数は、都道府県7,083、指定都市5,540、市区町村48,942の合計61,565施設で、都道府県における公の施設数は11,973であるから、都道府県においては59.2%の公の施設に指定管理者制度が導入されている。その内容は、レクリエーション・スポーツ施設(競技場、野球場、体育館、プールなど)11,330(18.4%)、産業振興施設(展示場施設、開放型研究施設、農産物直売所、観光案内施設など)6,096(9.9%)、基盤施設(駐車場、公園、公営住宅、水道施設、下水終末処理場など)18,798(30.5%)、文化施設(県・市民会館、博物館、美術館など)13,260(21.5%)、社会福祉施設(病院、保育所、老人福祉センターなど)12,081(19.6%)となっている。指定管理者の性質別にみると、株式会社・有限会社6,762(11.0%)、財団法人・社団法人22,264(36.2%)、公共団体331(0.5%)公共的団体27,718(45.0%)、NPO法人1,043(1.7%)、その他3,447(5.6%)となっている。株式会社・有限会社、NPO法人及びその他を合わせると、全国の11,252施設(18.3%)で民間企業などが指定管理者となってことになる。指定期間別の状況は、1年2,217(3.6%)、2年2,698(4.4%)、3年29,139(47.3%)、4年5,681(9.2%)、5年17,813(28.9%)、6年278(0.5%)、7年98(0.2%)、8年55(0.1%)、9年99(0.2%)、10年以上3,487(5.7%)であった。
・2006年8月末現在におけるPFI事業の状況は、以下の通りである。PFI法に基づいて実施方針を公表済みの事業数は245で、事業費は1兆7606億円に及ぶ。うち123事業は、すでにサービスの提供が開始され、運営段階に移行している。事業主体別に見ると、国が31(12.6%)、地方自治体が186(76.0%)、その他が28(11.4%)と、地方自治体が積極的にPFI事業に取り組んでいる。分野別に見ると、教育と文化(文教施設、文化施設等)が78(31.8%)、生活と福祉(福祉施設等)が12(4.9%)、健康と環境(医療施設、廃棄物処理施設、斎場等)が46(18.8%)、産業(商業振興施設、農業振興施設等)が13(5.3%)、まちづくり(道路、公園、下水道施設、港湾施設等)が32(13.1%)、安心(警察施設、消防施設、行刑施設等)が14(5.7%)、庁舎と宿舎(事務庁舎、公務員宿舎等)が25(10.2%)、その他(複合施設等)が25(10.2%)となっている。
・市場化テストとは、ある公共サービスについて、「官」と「民」が対等な立場で競争入札に参加し、価格・質の両面で最も優れた者が、そのサービスの提供を担う仕組みである。この仕組みでは、「官と民が競争を行う」というところに主眼が置かれ、単純に公共サービスを民にまかせるというものではない。競争入札の結果、民が落札した場合には、民営化、民間委託等が行われ、民の創意工夫により公共サービスの質が向上するが、官が落札した場合でも、民との競争の過程を通じて、効率化への取り組みを高める。すなわち、市場化テストは、公共サービスの提供に競争環境を作り出すことで、質の向上とコストの削減を目指し、公共サービスの改革を推進する手法である。

井川博「最近における地方税財政改革(三位一体の改革)について」自治体国際化協会『アップ・ツー・デートな自治関係の動きに関する資料』No.2、2007年3月。
・日本の地方自治体(市町村と都道府県)は、住民生活に身近な行政サービスを中心に幅広い仕事を行っている。地方財政の国民経済に占める割合も大きく、国内総支出に占める地方自治体の構成は国の約3倍となっている。例えば、2004年度の国内総支出496.2兆円のうち地方自治体が12.3%(60.9兆円)、国が4.1%(20.4兆円)、社会保障基金が6.5%(32.3兆円)となっている。また、国(一般会計と10特別会計の純計)と地方自治体(普通会計)の歳出の合計から重複分を除いた2004年度の歳出純計額は149兆8450億円であるが、この歳出純計額を最終支出の主体に着目して国と地方自治体とに分けてみると、国が59兆8,960億円(全体の40.0%)、地方自治体が89兆9,490億円(同60.0%)となっている。
・地方自治体は、小中学校や高校の設置・運営等の教育行政や福祉施設の整備、生活保護の実施等の福祉行政のほかにも、国民生活に大きく影響する種々の仕事を行っている。例えば、地方自治体は、医療、公衆衛生、精神衛生等に係わる業務を実施するとともに、し尿やごみ等の収集・処理を行っている。また、都道府県により地域社会の安全と秩序を維持するための警察行政が行われ、火災等の災害を防除し被害を軽減するため、市町村等によって消防行政が実施されている。こうしたなかで、国、地方自治体の歳出を目的別でみても、国のみが行い支出する防衛費や年金関係の経費は別として、衛生費、学校教育費、司法警察消防費など、国民生活に直接関連する経費の大半は、自治体を通じて支出されている。
・地方自治体の歳入としては、地方税、地方交付税、国庫支出金、地方債などがその主なものとなっている。地方自治体の歳入の約3分の1を占める地方税は、地方税法及び地方自治体の条例の定めに従い、地方自治体によって地域内の住民、企業等から徴収される。地方交付税は、地域の経済力の差によって生ずる財源の均衡化を図るとともに、地方自治体が標準的な行政運営に必要な財源を保障するために国から交付される。地方交付税は、その使途が制限されない一般財源であり、地方税の代替的性格を持つ地方自治体の共有財源であるとされる。その総額は、所得税、法人税、消費税などの主要な国税5税の一定割合(約30%、「地方交付税率」という)であるが、現在は地方財源が不足するなかで国の一般会計からの加算などによりその増額が図られている。各地方自治体の交付額は、地方交付税法の規定に従い標準的な財政需要である基準財政需要額と標準的な財政収入である基準財政収入額を用いて算定され、ほぼその差額が各地方自治体に交付される。国庫支出金は、特定の行政目的を達成するために、特定の事業や施策に要する費用に充てることを条件として国から交付される収入であり、国の負担義務に基づく国庫負担金や奨励的・財政援助的な性格をもつ国庫補助金などからなる。地方債は、その償還が年度を超える地方自治体の借入金であり、小学校の建設などのように一時に多額の経費を必要とし、その便益が長期間に及ぶものの財源に充てられる。その他、地方自治体の収入としては、本来地方税に属する財源をいったん国税として徴収したうえで地方自治体に譲与される地方譲与税や、高校の授業料など公の施設の利用等に対し徴収される使用料、住民票の交付など特定の者のために行う事務に対して徴収される手数料などがある。
・地方自治体の長期債務残高は、1980年度に39兆円であったものが、1985年度に57兆円、1990年度に67兆円と次第に増加してきた。これが、1990年代になると長期債務残高は急増し、1995年度に125兆円、2000年度には181兆円と1990年代の3倍弱まで拡大している。こうした地方財政の悪化の原因としては、バブル経済の崩壊以降、地方税収に大きな増加がみられないこと、国の景気対策に協力し地方自治体が多くの公共事業を行なったことなどが挙げられる。このように、国と同様、地方自治体の財政も極めて厳しい状況にあるといえる。
・2006年度予算までの三位一体の改革の成果を整理すると、以下のようになる。まず、国庫支出金については、2004年度から2006年度の間に46,660億円に上る廃止、交付金化などの改革が行なわれた。2003年度予算で行なわれた5,630億円の改革を含めると、国庫補助負担金改革の総額は、52,290億円となり、2004年度の国庫支出金総額12.5兆円の4割を超える。このうち、税源移譲に結びつくとされた国庫補助負担金改革の額は、31,180億円であり、残りの21,110億円は、税源移譲に結びつかない国庫補助負担金のスリム化(廃止・削減)、交付金化によるものである。21,110億円のうち、スリム化によるものは13,170億円であり、交付金化によるものは7,940億円である。税源移譲については、前述のように約3兆円であり、2006年度は移譲額の全額(30,094億円)を所得譲与税で措置することとされた。税源移譲に結びつくとされたほとんどの国庫補助負担金については、その廃止・減額分が100パーセント移譲されることとなるが、一部、建設国債の対象となる公立学校等施設整備補助金などの施設費補助金については、廃止・減額分の50パーセントが税源移譲されることとなっている。地方交付税については、臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税総額が、三位一体の改革がスタートした2003年度予算の23.9兆円から2006年度予算には18.8兆円と、5.1兆円(21.3%)の大幅な減少となっている。この間の地方税収の増加による影響もある(32.2兆円から34.9兆円への2.72兆円の増加)が、財政健全化を目指し地方自治体の歳出削減を図るため、地方交付税の総額に密接に関係する地方財政計画の規模が圧縮されてきた影響が大きいと考えられる。地方財政計画の規模は、2001年度をピークに5年連続のマイナスとなっており、2006年度には83.2兆円と、2003年度の86.2兆円と比較して3兆円の減少、2001年度の89.3兆円と比較すると6.1兆円の大幅な減少となっている。なお、課題とされてきた地方財政計画と自治体決算との乖離の是正も2005年度、2006年度と進められてきた。このほか地方交付税については、複雑であるとの批判がある交付税算定の簡素化、交付税を交付されない地方自治体(不交付団体)の拡大、行財政改革に対するインセンティブの確保を目指した算定方法の見直しなども行なわれている。
・三位一体の改革に対する地方自治体の評価は、必ずしも高いものとはいえない。時事通信が行なった知事アンケートによれば、2005年11月の政府・与党合意について、「大いに評価する」は零、「まあまあ評価する」が13人に対し、「あまり評価しない」は20人、「全く評価しない」が5人となっており、過半数の知事が「(あまり)評価しない」としている。こうした評価の背景には、これまでの三位一体の改革では、地方自治体が期待するような地方自治体運営の自主性、自立性が高まらないことがある。義務教育国庫補助負担金、児童手当国庫負担金のように補助負担率の引き下げによる国庫補助負担金の削減では、地方自治体の政策(施策)の形成・実施における自由度は増加せず、むじろ補助負担金事業の実施に伴い地方自治体が負担する一般財源が増加し、地方自治体の行財政運営の自主性、自立性が減少するおそれがある。また、三位一体の改革の実施に伴い、国と地方自治体の財政健全化を目指して、地方財政計画の規模や地方交付税(陳じ財政対策債を含む)の増額が大きく圧縮され、地方自治体の行財政運営、施策の実施が困難になってきていることに対する批判もある。1. 3兆円の地方自治体のへの税源移譲が達成されたこと、2. 国と地方自治体との協議の場所が設けられたこと、3. 国庫支出金についても施設補助金の廃止など一定の整理・合理化が進んだこと、などを積極的に評価する意見もある。しかし、国からの要請により地方六団体がまとめた改革案が尊重されず、国庫支出金の改革が地方自治体の自主性、自律性の拡大に十分結びついていない。また、地方交付税の総額などが大幅に減少するなかで、三位一体の改革が、地方分権の推進ではなく、むしろ財政健全化、特に国の財政再建に重点を置いたものになっているとの批判もみられ、地方自治関係者のこれまでの三位一体の改革に対する評価は、必ずしも高くないと考えられる。

横道清孝「日本における市町村合併の進展」自治体国際化協会『アップ・ツー・デートな自治関係の動きに関する資料』No.1、2007年3月。
・明治の大合併(1888年〜1889年)では、町と村を合わせた数が71,314から15,820と大きく減少した一方で、市が39誕生している。昭和の大合併(1953年〜1961年)では、村が7,616から981へと大きく減少したが、町は1,966から1,935とほとんど変わらず、市が286から556へと約2倍に増えている。平成の大合併(1999年〜2006年)では、村が568から198へ、町も1,990から846へと、両者とも大きく減少したのに対し、市は671から777へと増加している。すなわち、3回の大合併を経て大きく減少したのは、まず村であり、次いで町なのである。それに対して、市は一貫して増え続けている。これは、明治以来、日本の社会経済の発展に伴い、日本が農村型社会から都市型社会へと移行してきたことに対応した変化であるとみることができよう。
・1999年から平成の大合併が始まった。そして、1999年には3,229あった市町村は2006年には1821と約2分の1となった。この平成の大合併は、2006年で一段落したとはいうものの、最終期限である2010年に向けてなお進行中であり、市町村数はさらに減少することが見込まれている。
・平成の大合併では、明治の大合併や昭和の大合併の時とは異なり、国は、市町村の標準規模(あるいは最低規模)のようなものは示していない。また、昭和の大合併の時のように、国が市町村合併計画を策定して推進したわけでもない。したがって、国が主導的な役割を果たしたとはいえるが、その程度は、明治の大合併や昭和の大合併と比べると弱いものであった。平成の大合併は、市町村の自主性をより尊重しながら行なわれたのである。

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benyamin ♂

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