覚書 081102

国立国会図書館調査及び立法考査局「外国の立法、【イギリス】2008-09年提出予定法案」2008年8月。
・ブラウン政権が発足した2007年は、立法プログラム草案(以下、「草案」という。)発表は7月だった。しかし、法律制定過程の公開と公衆の参加促進のため、もっと早い公開が望ましいという声に応え、今年は公開が2ヶ月早まった。また、下院の現代化委員会の提言を容れて、法案の草案に加えて政策草案も併せて発表されることとなった。2008-09年草案のテーマは、経済的安定、潜在能力の開花、公共サービスの個別化と向上、市民への権限委譲等の4つである。
・経済的安定(環境問題対策含む):金融改革法案、セービング・ゲイトウェイ法案、事業レート補足法案、特別流動性制度(既出)、再生可能エネルギー、建築物の炭酸ガスゼロ基準の確立、海洋及び沿岸アクセス法案。
・潜在能力の開花:教育及び技能法案、平等法案、福祉改革法案。
・公共サービスの個別化と向上:警察活動及び犯罪減少法案、通信データ法案、法制改革・犯罪被害者及び目撃者法案、市民権・移民及び国境法案、国民医療サービス(NHS)法案改革。
・市民への権限委譲:憲法更新法案、地域共同体の権限付与・住宅及び経済再生法案。
・覚書注:4つのテーマと実際の法案がほとんど一致していない。看板だけを見て適切な法案が提出されたと理解した気になってはいけない。逆に、テーマとの距離はあるというだけで、それぞれの法案を評価してはいけない。

上田晃三「インフレーション・ターゲッティングの変貌:ニュージーランド、カナダ、英国、スウェーデンの経験」日本銀行ワーキングペーパーシリーズ、No.08-J-15、2008年10月。
・要旨:本稿では、この約20年に亘る、ニュージーランド、カナダ、英国、スウェーデンの4カ国におけるインフレーション・ターゲッティング(以下、IT)の変貌とその背景に関する事例の整理を実施した。分析を通じて分かったことは以下の3点である。1つめは、これら4カ国の中銀は、IT導入当初、インフレ期待の安定を重視する観点から、足許の物価安定に向けて厳格な運営を試みたが、その後徐々に中期的な物価と実体経済の安定をめざす運営に変貌していったということである。2つめは、この変貌の背景には、経済に発生したショックの内容・大きさだけでなく、各国における経済的背景や、ITの枠組みに対する信認の強さもあったということである。3つめは、過去20年間に金融政策の透明性が大幅に向上・強化され、これが4中銀の政策運営に対する批判への防御となり、ITの枠組みに対する信認を確率・維持する助けとなっていたということである。
・英国は、1992年9月の欧州通貨危機をきっかけに変動為替相場制(覚書注:ITの間違いだろう)に移行した。金融政策への信認を強化し、ノミナル・アンカーを回復するために、同年10月、財務大臣は、RPIX(小売物価指数からモーゲージ金利支払を除いたもの)前年比を1-4%の範囲内にすることを宣言した。
・1997年以前、BOEのGeorge総裁は物価安定を実現するために緊縮的な政策の必要性を繰り返し助言していたが、金融政策の決定権は総裁ではなく財務大臣にあり、Clarke財務大臣は総裁の助言をしばしば無視した金融政策を実行した。こうのような中で、BOEは透明性を向上させ、BOEの法的独立性に対する世論の支持を集めていった。
・1997年5月、財務大臣は政策金利決定権をBOEに移すことを発表する。1998年6月には新しい中央銀行法が施行された。
・金融政策の法的独立性が担保されて以降、BOEの政策運営は、「フォワード・ルッキング」かつ「柔軟」になっている。
・2000年8月、2005年8月には、MPCの中で意見対立が起こり、票は5対4で割れていた。このような条件下、委員間で異なる意見をレポートや記者会見でどのように集約して公表するのか、市場の金利予測とどのように折り合いをつけるのかといった点で、市場とのコミュニケーションが困難になっていた。
・2000年前後からは住宅価格が急激に上昇していたが、資産価格変動に対する政策対応について、BOEにおけるコンセンサスの形成や明確な行動は確認されていない。しかし、委員は資産価格変動に対する懸念をスピーチなどで表明しており、実際に2003年11月から2004年8月にかけて、資産価格変動を意識した利上げが行われているようにも窺われる。
・2007?2008年にかけて、国際金融市場の混乱や、原油価格・食料価格上昇という相対価格変動を伴う供給ショックに直面する中、BOEは利下げを実施した。インフレ目標の変更に関する議論も出始めている。
・Bernanke, B.S., T. Laubach, F.S. Mishkin, and A.S. Posen, 1999, Inflation Targeting : Lessons from the International Experience, Princeton : Princeton University Press.
・覚書注:おそらくはBernankeたちの1999年の論文を翻訳したそのままの内容だろう。

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benyamin ♂

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