覚書 081129

「イギリス 政府、再就職支援などに1億ポンド投入へ」労働政策研究・研修機構『海外労働情報』2008年11月。
・統計局が10月に公表した6?8月期の雇用関連統計によれば、失業率は5.7%で前期(3?5月期)から0.5ポイント上昇、失業者数は前期から16万4000人増の179万人で、17年ぶりの増加幅となった。解雇者数も、前期比2万8000件増の14万7000件と増加を続けている。直近の9月の求職者給付受給者数は、前月から3万1800人増の93万9900人となった。
・CBIは、製造業企業500社を対象とした調査の結果、年度末までの6ヶ月に6万5000人の人員削減が予想されるとしている。ただし、こういった解雇事例の全てが金融危機の直接の影響によるものではないとの見方もある。大手コンサルティング会社のKPMGが7月、民間企業や公共機関を対象に実施した調査によれば、約半数の53%の組織が人員整理を考えていると回答しているが、調査対象となった約500組織の8割は、金融危機による資金調達難などには直面していないと回答している。
・景気回復は、長期にわたるというのが大方の見方で、失業者数は来年中に300万人にも及ぶとの予測もある。政府は、景気後退の影響が著しい産業部門で失業の危機にある人々の再訓練や、支援の必要な離職者に対して優先的に職業訓練を実施することなどを目的に、1億ポンドを投じると発表した。また、職業紹介や求職者給付などの窓口業務を行うジョブセンタープラスにける離職者向けサービスを強化するとの方針を示している。離職者の円滑な再就職を支援することにより、国内で未だ60万件を超える求人の充足に結び付けたい考えだ。
・覚書注:求人が60万件もあることに着目すべきだろう。企業にとにかく無理にでも雇用させる方策を考えるのではなく、企業は人材を求めているのだから、その人材を育成していくことを考えるべきではないだろうか。派遣労働は育成過程の一形態になりえるはずだ。その一方で、金融危機の影響を直接受けていないにも関わらず、人員整理を行っている企業がいることも注目すべきである。金融危機を口実に、これ幸いと労働者を削減しているのだろうが、もともと労働者が過剰であった可能性も否定できない。

「英国政府の第2研究レポート 『人造ナノ粒子による潜在的リスクの特性決定』」NEDO技術開発機構『海外レポート』No.1033、2008年11月19日。
・英国政府は2007年12月、第2研究レポート「人造ナノ粒子による潜在的リスクの特性決定」を発表した。英国では2004年、リサーチ・カウンシルがナノテク研究開発におけるアンバランス、アプリケーションのための研究開発に比べ、ナノ粒子の潜在的リスクに関する研究が大きく遅れていることを指摘し、長中期的にはリスクに対する準備不足がナノテク利用の大きな障害になると警告して以来、政府レベルでの研究については、リスク関連のものに関わるコミュニケーションが重要になっている。

「英国におけるナノテクノロジーの政策動向」NEDO技術開発機構『海外レポート』No.1033、2008年11月19日。
・英国の工学関係の中心的研究機関であるEPSRC(工学・物理科学研究会議)におけるナノテク政策は、1986年の国家ナノテクイニシアチブ設立に始まる。

「英国におけるナノテクノロジーの拠点」NEDO技術開発機構『海外レポート』No.1033、2008年11月19日。
・英国にはナノテクノロジー関連の研究拠点が数多くあるが、ここでは新しい拠点として脚光を浴びているロンドン・ナノテクノロジー・センター、ヨークシャー産学連携センター、シェフィールド大学のクロート研究所およびナノ科学技術センターについてその概要を報告する。

大政美樹「主要国の金融政策動向」国際金融情報センター、2008年11月5日。
・英国:4.50%
・10月8日の定例例会において、0.5ポイントの緊急同時利下げ。2007年12月以降4回目の利下げ(計1.25ポイント)。CPI上昇率は中銀目標を大幅に上回る(8月:4.7%)が、経済活動の大幅な落ち込みや原油価格のピークアウトによりインフレは先行き沈静化するものと見込む。次回会合11月5?6日。

大政美樹「主要国の金融政策動向」国際金融情報センター、2008年11月5日。
・英国 2008年1月24日:労働・年金相が不正献金疑惑で辞任。小幅内閣改造。2008年5月1日地方選挙(イングランド・ウェールズ):労働党は40年来の惨敗、331議席減、得票率は24%と第3位に転落。保守党は大きくリードし256議席増、得票率は44%と首位へ浮上。自由民主党の得票率は25%。ブラウン首相の求心力は低下へ。ロンドン市長選:保守党のボリス・ジョンソン下院議員が大勝。現職労働党リビングストン氏は3期目逃す。2009年総選挙予定。

日本総合研究所調査部マクロ経済研究センター「2009年米欧経済見通し 金融不安が続くなか、欧米ともマイナス成長へ」『マクロ経済レポート』No.2008?04、2008年11月19日。
・英国でも、1. 雇用情勢の急速な悪化や家計のバランスシート調整を受けた個人消費の低迷、2. 成長のけん引役であった金融・不動産セクターの不振、などから今後数四半期にかけて大幅なマイナス成長が続く見通し。
・英国では現時点でも住宅価格は可処分所得対比で約30%割高な状態。英国住宅価格(Nationwide)では、すでに前年比でマイナス10%以上下落しているものの、今後年率マイナス10%の下落を前提にしても、適正水準への復帰は2010年央以降となる見込み。
・英国では、MEW(Mortgage Equity Withdrawal)という住宅を担保とした消費者ローンの活用もあり、とりわけ2006年以降は家計債務比率の上昇が貯蓄率の大幅な下落と結びついていた。貯蓄率は1999年以降2005年まで5%程度で推移していたものの、2006年以降は、債務増大につれ貯蓄率も低下したことで、この間の実質消費を年平均プラス2.5ポイント押し上げた格好。当面、金融機関の貸出姿勢厳格化に伴い過去平均である5%前後まで上昇する公算大。結果として、消費の伸びは、長期にわたり可処分所得よりも低い伸びにとどまる見込み。
・1) 英国経済は、7?9月期実質GDPが前期比年率マイナス2.0%と、1992年4?6月期以来16年ぶりのマイナス成長に。住宅価格の下落に一段と拍車がかかっているほか、失業者数も急増するなど、景気悪化は深刻化。2) 2009年の英国景気は、雇用情勢の急速な悪化や家計のバランスシート調整を受けた個人消費の低迷、成長のけん引役であった金融・不動産セクターの不振、金融混乱を受けた設備投資の減少、などから今後数四半期にかけて大幅なマイナス成長が続く見通し。英政府による景気対策の効果が健在化する2009年秋口にかけて景気悪化に一旦歯止めがかかる見通しながら、上記下押し圧力が根強いなか、対策効果一巡後は、再びマイナス成長に転じる見通し。3) この結果、2009年通年の実質GDP成長率は前年比マイナス1.1%と、91年以来のマイナスとなる見通し。4) 物価面では、電力・ガス料金値上げの影響から2008年中は高止まりが続くものの、今夏以降原油価格の下落を映じて、早晩ピークアウトする見込み。2009年入り以降は、前年比でみたエネルギー価格による押し上げ影響が急速に減衰するとともに、景気悪化に伴いコアベースでの上昇率も低下するとみられ、2009年夏以降、インフレ率は前年比マイナス圏まで低下する見通し。

城野敬子「難航するイギリス政府のエコタウン(ecotown)計画」日立総研『欧州レポート』2008年11月25日。
・エコタウンは40年ぶりにイギリスに建設されるニュータウンである。計画では、5000?15000軒の新築住宅で形成されるコミュニティ(エコタウン)を、2020年までに10ヵ所建設することが目標として掲げられた。エコタウンには大きく2つの目的が設定されており、それらは、1. 住宅の一時取得者に対して適切な価格の住宅を提供し、新築住宅の需給逼迫を緩和すること、2. 地域温暖化への対応を進めるべく、より環境に優しい新築住宅を建設することである。この2つの目的を実施するような理想的な町を作ることで、他の開発へのモデルケースを示すことも政府のねらいとなっている。
・これまでのところ、政府の公募に対して、合計57の提案があり、2008年4月に15ヵ所に絞られた。さらに絞込みを進めて、最終的に2009年初めに候補地を決定した後、2016年までの最初の5ヵ所が、2020年までに残りが建設される予定である。しかしながら、候補地となった15ヵ所のうち、3ヵ所は地元の強い反対を受けて計画が撤回され、さらに少なくともあと2ヵ所が実現可能かどうか危ぶまれる深刻な事態にあるという。計画が順調に進んでいるとはいいがたい状況だ。
・こうした事態に陥った原因は何だろうか。第一に、エコタウンの2つの目標に対して、そもそもこの計画がどの程度有効なのかという疑問が呈されている。新築住宅の需給逼迫への対応という目的については、2008年8月の住宅価格が前年比マイナス3.4%となるなど、住宅市場が軟化する中で、新たにニュータウンを作るという発想に反対する意見が出ている。また、地球温暖化対応という目的については、新築の建築物よりも、むしろ、現在イギリスの炭素排出量の半分近くを占めている既存建築物について対策を進めるべきであるともいわれている。第二に、地元住民の理解が得られていないケースが多い。計画に反対する人々は、「エコタウンをどこに設置するかなどについて周辺住民の意見を適切に聴取していないため、この計画の進め方全体が不法なものである」、また、「地方での大規模な計画の決定は生活に影響を受ける住民に対して直接の説明責任を持つ地方政府にゆだねられるべきである」と主張している。こうした反対運動の結果、高等法院(High Court:最高裁判所の一部)で司法面から問題はないか審議を進めることが決定した。反対意見を持つ人々は、審議の結果によっては、計画を白紙段階からやり直すように求めている。第三に、開発を推進する企業(ディベロッパー)にとって入札プロセスにかかるコストが大きく、リスクが高いことが問題であるといわれている。ケンブリッジ近郊にエコタウンの開発を提案していた、流通王手のテスコ(Tesco)は2008年8月に計画を撤回した。地元住民や周囲の地方政府の反対を受けたことが計画撤回の主要因であるが、テスコ関係者は、最終的に政府に認可されない可能性もあるエコタウンの詳細計画を策定するのに高額のコストをかけるのは、あまりに「ハイリスク」であるといっている。テスコが提案を進めようとすると、提案が認可される保証もないのに、入札プロセスには何百万ポンドもかかることになるそうだ。

「英国:住宅バブルの崩壊」内閣府『今週の指標』No.908、2008年11月25日。
・英国では、戦後、4回の住宅バブルが形成された。直近の2000年代のバブルでは、住宅価格上昇率は比較的長期にわたり高止まりを続けていた。2003年1?3月期のピーク時には、住宅価格上昇率は前年同期比で25.8%となり、その後次第に低下して2008年4?6月期からマイナスに転じ、7?9月期には前年同期比マイナス10.3%となった。
・今回の住宅価格上昇率は、一見して他の3回に比べると穏やかなようにみえる。しかし、住宅価格の伸びと名目GDPの伸びとを比べると、前回のバブル期よりも、今回のバブル期の方が、住宅価格の伸びが名目GDPの伸びから、より大きく乖離していることがわかる。
・さらに、住宅価格の所得に関する倍率は、前回バブル期の最高は1989年3月の5.01倍であったが、今回のバブルでは2007年7月に最高5.84倍となり、長期平均の3.99倍を大きく上回っている。

三菱東京UFJ銀行「西欧経済の見通し」2008年11月21日。
・9月半ばからのグローバルな金融危機への対策として、英国政府は10月8日に銀行支援策を発表した。その後、今年末を期限とする大手銀行の資本増強を支援するため、13日には大手銀行のうち3行に対し、公的資金による資本注入の実施が公表された。こうした一連の施策の効果により、株価は下げ止まったほか、短期金融市場では、依然流動性は不足しているものの、小康状態を保っている。
・しかし、実体経済は急速に悪化している。7?9月期の実質GDP成長率は、前期比マイナス0.5%、前年比0.3%にとどまった。
・また、住宅価格の下落に歯止めがかからない。HBOSが公表している住宅価格指数の推移をみると、10月には前年比マイナス15.0%と、マイナス幅の拡大が続いている。イングランド銀行(BOE)による利下げ効果が期待されるところであるが、現下の逼迫した金融環境を踏まえると、これまで引き締められてきた金融機関の貸出姿勢が緩和される可能性は小さく貸出金利の引き下げは限定的なものにとどまるであろう。そのため、住宅価格についても底値がみえず、自律的に住宅需要が出てくる水準まで下落しつづける可能性が高い。
・消費者心理は大幅に悪化している。10月の消費者信頼感指数は再び下落した。これまでは、経済状況の見方の悪化やインフレに対する懸念の高まりが消費者マインドを悪化させてきたが、10月の指数の低下は、購買計画や貯蓄動向の低下が指数を押し下げたという点で異なる。これらは、個人消費に直結する項目であり、今後の個人消費の動向が懸念される。
・今後、懸念されるのは、雇用情勢の急速な悪化である。10月の失業率は3.0%と4ヶ月連続で上昇した。失業者数が増加していることからすると、失業率の上昇傾向は継続し、一段と加速する可能性がある。こうしたなかで、実質小売売上も大きく減速している。9月には前年比プラス1.7%まで減速している。消費者は価格志向を強めており、より安い商品を求める傾向が強まっている。
・10月の消費者物価指数は前年比4.5%と前月の同5.2%から大きく低下した。電気・ガス料金等の公共料金は大幅引き上げの影響で前年比39.3%と高止まったが、原油価格の下落に伴うガソリン価格の大幅な値下げにより、個人輸送機械関連費用の上昇率が大きく鈍化したため、全体の消費者物価上昇率は低下した。11月に入り、原油価格はさらに下落していることから、消費者物価上昇率は、当面、弱含みで推移するであろう。
・イングランド銀行(BOE)は、11月6日に、事前の市場の予想を上回る150bpの利下げを実施した。BOEは、インフレリスクは確実に低下しているとしていることから、需要の現象に伴うデフレを警戒し始めたといえよう。政策金利の引き下げに伴い、短期金利も低下したが、3ヶ月物のインターバンク金利と政策金利の差は依然100bpあり、短期金融市場の機能が正常化したわけではない。また、短期金融市場の流動性は、依然、不足している。英国景気の悪化が当面続くことからBOEは来年半ばにかけてさらに総計150bpの利下げを実施する見通しである。
・英国政府は、現在、財政支出を使った経済対策を策定中である。英国政府は労働党が政権についた1997年以降、財政赤字の拡大や、政府債務残高の増加を防ぐための財政運営ルールを策定し、それに沿った財政政策を実施してきた。しかし、最近の金融危機の拡大、急速な景気の悪化に対処するために、ダーリング財務相は、これまでの財政運営ルールを抜本的に改革し、減税や財政支出の拡大を実施する方針を発表した。

「英国公共機関におけるレガシーシステムマイグレーション」NTTデータ DIGITAL GOVERNMENT『欧州マンスリーニュース』2008年11月号。
・英国においても、公共調達における費用削減は最重要課題である。英国では、費用削減だけを目的とするのではなく、公共調達する事業ごとに、事業全体の成功のため、事業管理能力、サービス提供能力等を総合的に検討し、事業実施に最適な調達を得るために相応しい調達方法を採用している。時には、経済規模の便益を受けるため、同様の公共サービスを必要としている組織を取りまとめ、調達規模が大型化することもある。
・2008年度における英国歳出予算額は、6178億ポンドで、このうち、調達予算総額は、1064億ポンド(約17%:過去10年間おおよそ17%前後の推移)である。2010年度にはこの予算額が1250億ポンドに上ると予想されている。このうち、TI関係の支出額は、2006年度実績で、132億ポンドであった。
・英国の公共調達は、EU公共調達指令(EC Procurement Directives)を国内法制化した「公共契約規則2006(The Public Contracts Regulations 2006)」(2006年1月31日施行)に基づいて行われている。これは、従来の公共工事契約規則、公共物品契約規則、公共役務契約規則を一本化した、EU公共調達改正指令(2004/18/EC)に基づく新しい規則である。
・英国の公共物品及びサービスの調達方法は主に4つある。1. 公開競争手続き Open Procedure:全ての事業者が入札に参加できる。2. 制限競争手続き Restricted procedure:全ての事業者が応募できるが、経営・財務状況や技術的能力について、発注者が提示する基準を満たしている業者のなかから、入札参加事業者を選定する。3. 交渉手続き Negotiated procedure:例外的な場合の入札方法。例えば、価格の事前評価が困難な場合、入札不調の場合、技術的要素等により入札に参加できる事業者が特定される場合、既存契約への追加の場合に採用できる方法。最低3事業者を対象とする必要がある。4. 競争的交渉手続き Competitive dialogue procedure:発注者が技術的、法律的、財務的要件を明確に規定することができない等の理由により公開競争手続き及び制限競争手続きを採用することが困難な場合に採用する。入札から落札者決定までの間に複数の応札者と交渉し、最も優れた提案を採用できる。交渉には、最低3事業者を参加させる必要がある。
・英国では、公共調達の質向上のため、道具としての電子調達(e-Auction、e-Sourcing等)を積極的に取り入れているが、同時に、調達の質を保証するため、公的調達を担う人材の育成と、公共調達の評価に取り組んでいる。
・2000年にNHS(National Health Service)改革に着手した英国政府は、包括的なNHSシステムの更新が必要と認識し、次の4点を実現するためにシステム開発を行うこととした。1. インターネットによる病院予約、2. 電子医療記録のネットワークサービス、3. 電子処方箋のネットワークサービス、4. ブロードバンド通信基盤の導入。2年後の2002年、英国政府は、上記の事項を実現するため、大規模な医療システム開発であるNHS National Programme for IT(NPfIT)事業を開始した。NPfIT事業は、期間10年、予算124億ポンドで、英国内におけるIT投資としては最大の歳費を支出する事業であり、14分野に分かれている。これらの事業は、先に記載した公共調達規則に従い事業の実施者を選定している。
・NPfIT事業の中心は、Care Record Service(CRS)という、様々な医療記録を共有する全国共通ネットワークシステムの構築である。これは、各NHSトラスト及びホームドクター(GP:General Practitioner)が持つ医療記録を管理しているレガシーシステムを、プラットフォーム型のネットワークシステムに移行する開発作業である。
・費用削減効果及び最新IT技術の恩恵等への期待とは裏腹に、レガシーシステムの移行は当初より難航している。NPfIT事業は、大規模化し、各地域にあるNHSトラスト及びGP等多くの組織が関係する事業となり、複雑な管理が要求されている。組織間における調整機会は多くなり、また、組織間の意思疎通もスムーズにいかない等、事業管理に関わる問題で、事業全体が機能的に動かない事態を引き起こしている。

山下えつ子「米・英の消費不況とその政治的帰結」三井住友銀行『Market EYE』2008年11月27日。
・英国には米国のようなサブプライム・ローンはほとんどないが、住宅価格の上昇を背景に個人が住宅担保ローンで消費を伸ばし、その後、住宅価格の下落が消費減速の一因となっている、という米国に類似した現象がある。英HBOS住宅価格指数では英国の住宅価格は2007年8月には前年比11.4%の上昇、住宅価格自体もその時点がピークで、その後2008年10月までに15.7%下落。小売売上高は2007年の前年比プラス4%超の伸びから2008年10月は前年比プラス1.9%へ減速した。
・英政府は24日に総額200億ポンドの景気刺激策を発表。付加価値税の税率を現行の17.5%から来年末までの時限措置で15.0%へ引き下げることとした。付加価値税の減税で125億ポンド。またBOEも10月8日に政策金利を5.00%から4.50%へ引き下げ、11月6日には一気に3.00%まで引き下げるという大胆な政策を採っている。12月4日にも大幅な追加利下げが実施される見込み。
・英国で24日に財務相から予算案が発表された際、英気刺激策・減税の一方で、高所得者の所得税率を2011年度に引き上げる方針も示された。現政権の労働党はブレア前政権下では市場経済重視へと大きく方向転換し、従来の支持層である低所得者層だけではなく中高所得者層の支持も得た。今回の政府案は一部の中高所得者層の反発を買っているようだが、大不況のもとで採られる政策が政党の逆戻り的な方向にもつながりそうだ。
・覚書注:増税をすると従来の労働党に逆戻りする、という論理がよくわからない。

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benyamin ♂

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