麻生首相の失言

 今日は麻生首相の失言です。

 麻生首相は昨今、2つの失言でマスコミから攻撃されました。1つ目は、11月19日にあった全国都道府県知事会議での「医師には社会常識が欠落している」という発言です。2つ目は、11月20日の経済財政諮問会議で「たらたら飲んで食べて何もしない人の分の金を何で私が払うんだ」という発言です。

 マスコミの攻撃を受けて、多くの国民が「酷いことを言う首相もいたもんだ」との印象を受けたことだろうと思います。私も同じような印象でした。もっとも私は、それを首相攻撃の材料にしようという高尚な思いつきには至りませんでしたが、まずいことを言ってしまったなと心配になりました。

 その一方で、麻生首相がここまで不用意な発言を本当にしたのだろうか、と疑問にも思いました。そこで、それぞれの発言の真意を探るべく、実際にはどのような文脈で言ったのか、議事録を調べてみました。失言と攻撃されている発言について、自分の目で確かめてみようということです。

政府主催全国都道府県知事会議平成20年度会議録(PDF)
32〜33ページ
 それから、堂本さんの言われた地方の病院、これは群馬の話と基本的には同じなんだと思うんですけれども、これは医者の確保という話なんですが、自分で病院を経営しているから言うわけじゃないけど、はっきり言って大変ですよ。もっとも社会的常識がかなり欠落している人が多いとおもっとかなきゃいかんわけでしょうが。うちは何百人と扱っていますからよくわかりますよ。とにかくものすごく価値観が違いますから。それはそれで、そういう方をどうするかという話を真剣にやらないと、医者の中でも全然違いますから。ほんとうに何百人と扱われたらわかると思いますけれども、すごく違います。
 そういったのをよくわかった上で、これはほんとうに大問題なんであって、子供、いわゆる小児科、それから婦人科というところが猛烈に問題になっていますけれども、これは急患が多いからですね。皮膚科なんていって、水虫で急患はいませんから。だから、そういった意味では、急患が多いところはみんな人が引く。だったら、その分だけ点数を上げたらと。ほかのところと点数を全然変えたらどうですとか、これはいろいろ言っていくと問題点がいっぱい指摘できて、今、医師会もいろいろ、厚生省もといって、実はもうこなしていけば5年ぐらい前、もっと前かな、僕が政調会長のときにこの話をしたんだと思うんですけれども、必ずこういうことになりますよと申し上げて、そのままずっと両方でやられて答えが出てこないままになっていますので、これは正直、これだけ激しくなってくれば、責任はおたくら、お医者さんの話じゃないんですかと。しかも、お医者の数は減らせ、減らせと、多過ぎると言ったのはどなたでしたという話も申し上げて、この点につきましては私どもとしてかなり、党としても結構激しく申し上げた記憶があります。
 そういった意味では、ぜひこの問題につきましては、臨床研修医制度というものの見直しなどにつきましては、改めて考え直さないかんと思いますし、大学の医学部の定員につきましても、過去最大限まで増やすという話をしておりますが、これは出てくる医者は今から先の話ですから、目先のところをどうするのかというところで、医師不足の声というのは真摯に受けとめないかんところだと、私どももそう思っております。

経済財政審問会議平成 20年第25回経済財政諮問会議議事要旨(PDF)
11ページ
 67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる。彼らは、学生時代はとても元気だったが、今になるとこちらの方がはるかに医療費がかかってない。それは毎朝歩いたり何かしているからである。私の方が税金は払っている。たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金を何で私が払うんだ。だから、努力して健康を保った人には何かしてくれるとか、そういうインセンティブがないといけない。予防するとごそっと減る。
 病院をやっているから言うわけではないが、よく院長が言うのは、「今日ここに来ている患者は600人ぐらい座っていると思うが、この人たちはここに来るのにタクシーで来ている。あの人はどこどこに住んでいる」と。みんな知っているわけである。あの人は、ここまで歩いて来られるはずである。歩いてくれたら、2週間したら病院に来る必要はないというわけである。その話は、最初に医療に関して不思議に思ったことであった。
 それからかれこれ30年ぐらい経つが、同じ疑問が残ったままなので、何かまじめにやっている者は、その分だけ医療費が少なくて済んでいることは確かだが、何かやる気にさせる方法がないだろうかと思う。

 麻生首相の発言は実際には以上のような内容でした。マスコミはごく一部を切り取って報道していたのです。こうした切り取り報道は今に始まったことではありませんが、今回も同じ手段が使われたことが確認できました。事実を報道するが真実は報道しないマスコミの常套手段です。

 麻生首相の全体的な発言を見て、これをどのように評価するかについては議論があるべきでしょう。無理に首相の発言を支持する必要はありません。しかし、マスコミが切り貼り報道で印象操作をしているような、失言だと攻撃すべき内容ではないと思います。むしろ、確かにその通りだと納得できる発言ではないでしょうか。

 マスコミが印象操作によって世論誘導するはいつものことです。マスコミの一面的な主張が世論一般だと喧伝し、真実であるかのように国民側に信じ込ませることも常道です。私たちはついうっかりすると、マスコミの情報を鵜呑みにして、同じ主張をすることが正義だと考えてしまいます。マスコミ以外でも政治団体や運動団体は同様の手法を駆使してきます。

 だからこそ、まずは自分で調べてみる作業が必要となります。さすがに、マスコミが報道するすべてのことについて調べることは難しいでしょうが、気になった問題や、重大だと考える問題については、ネットを活用して自分なりに調べてみましょう。マスコミが哀れに思えてきますよ。

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benyamin ♂

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