派遣労働者解雇批判批判

 今日は派遣労働者解雇批判批判です。

派遣切り批判をあえて批判する

 自動車業界を中心に凄まじい数の非正規労働者がクビを切られている。自動車業界だけでも2万人を優に超える。それも契約期間の途中で、いきなり解雇だ。年の瀬を目前に突然、寒空に放り出される人々の憤激と不安はいかばかりであろうか。クビを切られる側がクビを切る側に、厳しい叱責を浴びせるのは当然のことだ。
 だがマスメディアが安っぽい正義感を振りかざして、 “派遣切り批判”を扇情的に繰り返す姿こそ批判されてしかるべきだ。 いざという時に雇用調整に踏み込むことは、企業として当然の経営判断だ。
 ところが日本の労働法制はそれを簡単には許さない。2000年代初めの不良債権危機当時、経営危機に瀕した大企業が続々とリストラをしたということになっているが、それは違う。日本の労働法制では正社員を一方的に解雇することはできない。当時「リストラ」と呼ばれた中身は「希望退職の募集」だ。倒産の危機が目前に迫っても、日本の企業は割増し退職金を払い、人件費を急増させるというプロセスを経なければ、雇用調整ができなかった。
 本来ならここで、日本の労働法制を真正面から見据えて、企業の解雇権と解雇される労働者の権利を守るための法改正や社会的なセーフティネットの構築をしなければならなかった。だがこれを素通りして、派遣をめぐる規制緩和だけが推し進められたところに問題の根があったのだろう。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081212/119407/

 日本では正規労働者の解雇が法的に困難であるために派遣労働者が雇用調整の対象となっている、との内容です。もちろん、これは今さら確認する必要もないような事項です。日本の雇用問題を議論する際の基本認識です。

 ですが、記事にもあるように、この点を忘れて昨今の雇用情勢を扱う論者が意外に多いように思います。あたかも派遣労働者などの非正規労働者を解雇すること自体が悪いことであるかのようです。これは確かに論者の正義感ぶりが透けて見えます。

 企業は景気後退期に雇用を調整しますし、非正規労働者はその対象となることを前提とした雇用形態です。その意味で、日本の労働市場では当たり前のことが当たり前に発生しているだけだとの説明になるはずです。

 もちろん、解雇される労働者にとってみれば深刻な事態ですから、何かしらの対策が必要となります。ですが、解雇すること自体を批判するような議論には生産性がなく、建設的ではないと思います。

 なお、今日の記事には2ページと3ページがあります。が、こちらは取り上げるような内容ではなかったので、最初の1ページ目だけを引用しました。

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benyamin ♂

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