『世界の日本人ジョーク集』

 今日は早坂『世界の日本人ジョーク集』(2006年、中公新書ラクレ202)を読みました。

 ジョークにはその社会の一般的認識が反映されています。みんなが思っていることや知っていることを少しひねって大げさに言うことがジョークだからです。

 本書では世界で言われているジョークのうち、日本人が登場するジョークをまとめています。そうしたジョークを通じて日本人に対する世界の一般的認識を読み取ろうという試みです。

 ジョークに垣間見える日本人像は、ハイテク、お金持ち、勤勉、集団行動、英語下手、時間に正確、貞淑な日本人女性、無宗教、対米従属、アニメ、などです。

 例えば、本書の冒頭では次のようなジョークが紹介されています。

 あるアメリカの自動車会社が、ロシアと日本の部品工場に以下のような仕事の発注をした。
「不良品は1000個につき1個とすること」
 数日後、ロシアの工場からメールが届いた。
「不良品を1000個に1個というのは、大変困難な条件です。期日にどうしても間に合いません。納期の延長をお願いします」
 数日後、日本の工場からもメールが届いた。それにはこう書かれていた。
「納期に向けて作業は順調に進んでおります。ただ、不良品の設計図が届いておりません。早急に送付してください」

 ロシアのテキトーさと対比させながら、日本の生産技術が非常に高いことをジョークにしています。ジョークになるくらい日本の技術力は世界で評価されているのです。

 世界経済における日本の役割がわかるジョークも紹介されています。

 新製品が世に流通するまでには、全部で四つの段階がある。
 まず、アメリカの企業が新製品を開発をする。
 次にロシアが、「自分たちは同じ物を、もうすでに30年前に考え出していた」と主張する。
 そして、日本人がアメリカ製以上のクオリティのものを造り、輸出し始める。
 最後に、中国人が日本製のものに似せた偽物を造る。

 ここでも日本の高い技術力が笑いの対象になっています。また、日本はアメリカ製品の模倣製品を作って輸出している物真似国家だ、という皮肉も含まれています。

 このジョークには登場国がもっと多い型もあります。本書では紹介されていませんが、以下のようなジョークです。

 ドイツが発明した製品を、フランスが権威付けし、イタリアがデザインを考え、イギリスが投資し、アメリカが大量生産し、日本が改良と小型に成功する。その後、中国が偽物を作り、韓国が起源を主張する。

 先のジョークでのロシアの位置に韓国がいます。こちらのほうが現代的ですが、昨今では大量生産はアメリカではなく中国の役割ですので、やや古い認識と言えるでしょう。

 本書で紹介されているジョークに反映されている日本人像が、世界の一般認識であるのかどうかについては定かではありません。しかし、ジョークから世界が日本人をどのように見ているかを読み取ろうとする本書の試みは面白いと思いました。

自己紹介

benyamin ♂

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