脳死患者が出産した事例

 今日は脳死患者が出産した事例です。

英国人女性、脳死診断の2日後に女児出産
2009年 01月 14日 10:41 JST

 英国人女性が脳死と診断されてから2日後に、未熟児ながらも健康な女児を出産したと、地元メディアが13日報じた。
 女性は、元アイススケート選手のジェーン・ソリマンさん(41)。自宅で転倒して脳出血を起こし、そのまま回復しなかった。
 当地のオックスフォードにあるジョン・ラドクリフ病院の医師団が今月9日、当時妊娠25週目だったジェーンさんに対し、帝王切開による出産を執刀。女児の体重は972グラムだった。
 出産後、ジェーンさんに施されていた延命措置は止められた。女児の父親でエジプト出身のマームード・ソリマンさん(29)は、デーリー・メール紙に対し「母親になるのがジェーンの夢だった」と語っている。

http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-35849120090114

 珍しい事態ではありませんが、覚書として取り上げました。特記するとすれば、出産と言っても自然分娩ではないという点です。

 出産事例もある脳死患者を死者と認定することはできないと脳死反対論では主張されますが、その議論には脳死患者も自然分娩で出産する、という前提があるのではないでしょうか。しかし、実のところ帝王切開での出産です。これは今回の事例のみならず他の事例にも言えることです。例外的に流産のような出産もあるようですが、通常は帝王切開です。この点は強調しておきたいと思います。

 私は脳死を死とすることには肯定的です。ただ、それは臨床的に見れば脳死は人の死であるという文脈においてです。社会通念として考える場合には、脳死状態を人の死として受け入れられない立場もありますから、画一的に規定してしまうことはできないでしょう。

 その一方で、脳死反対論のなかには根拠が曖昧な主張もあります。それが今回の出産です。出産ができるから身体は生きていると見なされますが、それはおそらく脳死患者の出産が帝王切開による出産であることを認識していない議論であると思います。こうした間違った見方については今日の記事などを提示して認識を改めてもらう必要があるでしょう。

 生まれてきた女児が健康に育っていくことを願っています。脳死議論に専念して忘れられがちですが、脳死患者から生まれてきた子供は未熟児であったり、胎内での循環悪化の影響を受けたりするため、身体的な発育に困難が伴います。何とか大きく成長してくれると良いのですが。

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benyamin ♂

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