『マリア様がみてる ハロー グッバイ』

 今日は今野緒雪『マリア様がみてる ハロー グッバイ』(2009年、コバルト文庫)を読みました。

 本書は祥子がついに卒業を迎えるお話です。『マリみて』を祐巳と祥子の物語として見れば、二人の関係に区切りがつく今回が事実上の最終回となります。

 最終回にふさわしい内容だったと思います。元薔薇様たちなど縁の深い人物たちが全員登場して、雰囲気を盛り上げています。あのゴロンタまでも登場し、聖に愛撫されています。

 個人的には蓉子と可南子の登場が嬉しかったです。蓉子は相変わらず聖と江利子に振り回されていました。可南子は初登場時と打って変わって、小鳥を愛でる良い娘になりました。

 連載途中では瞳子の性格が崩壊しかかるなど連載長期化に心配していましたが、最終回まで無事たどり着けたことを嬉しく思います。瞳子も甘え上手の良い妹に育ちました。

 今回は黄薔薇の話題が多かったように思います。前代未聞の珍事を連発してきた由乃が卒業式で中学生の菜々を妹にする場面が、物語の最高潮に位置づけられています。

 黄薔薇は狂言回しの役回りなので、どうしてもこうなってしまうのでしょう。とくに由乃は物語の問題提起係です。彼女が暴れてくれないと物語は動きません。

 逆に言えば、由乃が落ち着いたときが物語の静止となります。その意味では、由乃に妹ができたところを最終回とした設定は、非常に秀逸だと思いました。

 続編を期待する声もあるかと思いますが、私は今回で終わりで良いと思います。むしろ、理想的な終わり方であったと思いますので、これ以上を希望することはできません。

 強いて言えば、三奈子が登場しなかったことが残念です。ただ、前書で祥子や令と十分に絡んでいますので、今回は外れてしまったのでしょう。彼女も由乃と同じ狂言回しですから。

 長いおつきあいでした。私は2000年頃から読み始めましたので、かれこれ8年くらいのおつきあいです。長い間読み続けてしまうくらい佳作であったと思います。

 お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。ごきげんよう!

自己紹介

benyamin ♂

2012年5月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

月別アーカイブ

Powered by Movable Type 5.13-ja
Support Wikipedia