生活保護の受給者

 今日は生活保護の受給者です。

世帯類型別被保護世帯数の構成比
2007年度

高齢者世帯:45.1%
母子世帯:8.4%
傷病・障害者世帯:36.4%
その他の世帯:10.1%

出所:平成21年度版厚生労働白書
http://www.mhlw.go.jp/za/0825/c05/pdf/21010809.pdf

 生活保護に関する一般的な印象は、母子家庭に支給されているというものだと思います。あるいは、病気や障害のあって働けない人々が受給しているという印象もあるでしょうが、母子家庭のほうが生活保護の受給者として真っ先に頭に浮かぶでしょう。

 しかし、生活保護受給者における母子世帯の比率は1割にも届かない水準であるのが実態です。その一方で、傷病・障害者世帯がその4倍以上を占めています。生活保護に関する一般的な印象は決して正確ではなく、いつの間にか勝手にそう思い込んでいる側面があります。

 より注目すべきは、受給者の5割近くが高齢者世帯である点です。生活保護と聞いて、その受給者として高齢者を思い浮かべる人はほとんどいないでしょうが、生活保護は半分程度が高齢者に支給されています。これはなぜか多くの人が知らない事実です。

 高齢者の生活は本来、年金によって保障されるべきです。少なくとも、国民年金の趣旨はそうなっています。しかしながら、実際には高齢者の生活は年金では成り立たないため、生活保護を受ける事態になっています。それが受給者における高齢者世帯の高い比率となっています。

 生活保護の側面から見れば、本来は高齢者以外の人々の生活を保障する制度が高齢者に浸食されている、と言えます。そのため本当に支給されるべき母子世帯などが生活保護を十分に受けられなくなっている可能性があります。高齢者が生活保護から除外されれば、もっと広範囲の世帯が生活保護を受けられるでしょう。

 年金で解決されるべき問題が生活保護に入り込んでいるのが現状です。景気がとても悪い昨今、働き口がない人々を生活保護で救うことが湯浅誠方面で主張されています。それはそれで大きな問題があると考えられますが、たとえ生活保護を活用することになったとしても、高齢者世帯の比重が高いままでは、それほど効果は期待できないでしょう。

 雇用問題は生活保護を通じて年金問題へとつながります。雇用問題にはとにかく生活保護だと語る湯浅誠御大の議論は、そもそもが狭隘すぎますが、生活保護が高齢者の生活を抱え込んでいる現状との整合性が検討されるべきでしょう。制度の枠を一定とすれば、限られた生活保護を高齢者と職がない人で奪い合うことになるからです。

 いずれにしても、高齢者が生活保護で養われていることが認識されなければなりません。また、国民年金が老後の生活を保障する制度としては非常に限界があり、少なくない高齢者が日々の生活に困っている事実にも目を向けるべきです。生活保護と国民年金は、給付水準や給付対象も含めて、再編成される必要があると思います。

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benyamin ♂

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