2010年1月アーカイブ

バリバリやめて

 今日はバリバリやめてです。

 久しぶりに天下一品でこってり並ニンニク入りを食べていたら、店内に流れている曲に妙な違和感を覚えました。不思議に感じて、よく聴いてみると、バリバリやめてでした。


【ニコニコ動画】【初音ミク】「彼氏の財布がマジックテープ式だった」【オリジナル】

 おいおい、マジか、こんな曲を流すなよ、と驚きつつも、私の心はなんだか得体の知れない居心地の悪さで満たされました。この曲に反応している私も私だからです。

 そもそも、曲名を「バリバリやめて」と略している時点で、私も深い沼の奥底に沈んでいます。ぶくぶくぶく……。

 店内をこっそり見回してみましたが、数名いた他のお客さんは無反応でした。幸い同じ沼出身の人は店内にはいなかったようです。

 残念だったような、ほっとしたような、わき上がるいくつかの感情を押し流すようにスープを飲み干し、私は店を出ました。今夜も冷え込みそうです。

 ちなみに、私は弱音ハクがお気に入りです。←別の沼か!?

外国人参政権の理論的根拠が崩壊

 今日は外国人参政権の理論的根拠が崩壊です。

外国人参政権をめぐる長尾教授インタビュー詳報「読みが浅かった」
2010.1.28 21:52

 外国人への地方参政権付与は合憲としてきた長尾一紘(かずひろ)・中央大教授が、従来の考えを改めて「違憲だ」と明言した。主なやりとりは次の通り。

 ??地方参政権を認める参政権の部分的許容説に対する今のスタンスは

 「過去の許容説を変更して、現在は禁止説の立場を取っている。変える決心がついたのは昨年末だ」

 ??部分的許容説を日本に紹介したきっかけは

 「20年くらい前にドイツで購入した許容説の本を読み、純粋に法解釈論として合憲が成立すると思った。ただ、私は解釈上は許容説でも、政策的に導入には反対という立場だった」

 ??許容説から禁止説へと主張を変えたのはいつか

 「民主党が衆院選で大勝した昨年8月から。鳩山内閣になり、外国人地方参政権付与に妙な動きが出てきたのがきっかけだ。鳩山由紀夫首相の提唱する地域主権論と東アジア共同体論はコインの裏表であり、外国人地方参政権とパックだ。これを深刻に受けとめ、文献を読み直し、民主党が提出しようとしている法案は違憲だと考え直した」

 ??考え直した理由は

 「2つある。1つは状況の変化。参政権問題の大きな要因のひとつである、在日外国人をめぐる環境がここ10年で大きく変わった。韓国は在外選挙権法案を成立させ、在日韓国人の本国での選挙権を保証した。また、日本に住民登録したままで韓国に居住申告すれば、韓国での投票権が持てる国内居住申告制度も設けた。現実の経験的要素が法解釈に影響を与える『立法事実の原則』からすると、在日韓国人をめぐる状況を根拠とすることは不合理になり、これを続行することは誤りだと判断した」

 ??もうひとつは

 「理論的反省だ。法律の文献だけで問題を考えたのは失敗だった。政治思想史からすれば、近代国家、民主主義における国民とは国家を守っていく精神、愛国心を持つものだ。選挙で問題になるのは国家に対する忠誠としての愛国心だが、外国人にはこれがない。日本国憲法15条1項は参政権を国民固有の権利としており、この点でも違憲だ」

 ??ほかには

 「許容説の一番最先端を行っているドイツでさえ、許容説はあくまでも市町村と郡に限られる。国と州の選挙の参政権はドイツ国民でなければ与えられない。一方、鳩山首相は地域主権論で国と地方を並列に置き、防衛と外交以外は地域に任せようとしている。最先端を行くドイツでさえ許していないことをやろうとするのは、非常に危険だ」

 ??政府・民主党は、外国人地方参政権(選挙権)付与法案を成立させたい考えだが

 「とんでもないことだ。憲法違反だ。国家の解体に向かうような最大限に危険な法律だ。これを制定しようというのは単なる違憲問題では済まない」

 ??付与の場合の影響は

 「実は在日韓国人より、中国人の方が問題だ。現在、中国は軍拡に走る世界で唯一の国。中国人が24日に市長選があった沖縄県名護市にわずか千人引っ越せば、(米軍普天間飛行場移設問題を焦点とした)選挙のキャスチングボートを握っていた。当落の票差はわずか1600票ほど。それだけで、日米安全保障条約を破棄にまで持っていく可能性もある。日本の安全保障をも脅かす状況になる」

 ??学説の紹介が参政権付与に根拠を与えたことは

 「慚愧(ざんき)に堪えない。私の読みが浅かった。10年間でこれほど国際情勢が変わるとは思っていなかった。2月に論文を発表し、許容説が違憲であり、いかに危険なものであるのか論じる」

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100128/plc1001282154020-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100128/plc1001282154020-n2.htm

 長尾一紘とは言えば、みんな大好き外国人参政権に対して憲法学の立場から理論的に支援をしていた論者ですが、その彼があっさりと転向しました。外国人へ地方参政権を付与する理論的根拠とされてきた説が一気に崩壊したことになります。

 今回の変動を受けて、外国人参政権をめぐる議論は大きく変質することになるでしょう。とくに、推進する立場の議論には理論的な根拠がなくなったわけですから、また別の学者を担ぎ上げるなど、何らかの戦略変更が必要となります。

 なお、今日の記事にもありますが、外国人参政権で焦点となるのは、私も在日中国人だと考えています。在日朝鮮人の場合、確かに日本への影響力が大きいのですが、特殊的な状況のなかで規定されている存在ですから、今後は次第に減少していくと思われます。

 一方で、在日中国人は特別な歴史的経緯もなく規定される存在です。したがって、自然に減少していくとは考えられないばかりか、意図的に増加させることも可能です。外国人参政権が仮に実現した場合、在日中国人の影響力は決定的に増大すると思います。

 外国人参政権の理論的根拠が崩れた今、こうした懸念は杞憂だと一蹴できるような事態になれば良いと思います。

派遣村と税金泥棒

 今日は派遣村と税金泥棒です。

派遣村で都が「厳格化」要望へ “持ち逃げ”ほぼ全員特定
2010.1.26 00:00

 今月18日に閉鎖した「公設派遣村」で110人を超える強制退所処分者が出た問題で、東京都が分析した入所者データを基に、国に対し来冬以降の開設にあたり、入所条件の厳格化などを緊急要望する方針を固めたことが25日、分かった。2月初旬にも要望を提出する。

 都は、派遣切りなどで失業した本来の対象者と、一時金目的など悪質な入所者を選別したい考え。

 要望の中身は(1)今回、入所申請時までだったハローワークでの求職登録を、入所申請の数カ月前までに求職登録を済ませ就労活動に従事している人に限定(2)東京への一極流入を避けるため、都内での生活実態を精査した上で、周辺の県などでも公設派遣村の同時実施を行うよう要望する?など。

 このほか、現在、区市町村が窓口となっている住宅手当についてハローワークで行えるよう一元化することなど、第2のセーフティーネットの改善を求める。

 一方、都は一時金を“持ち逃げ”した111人についてほぼ全員を特定、うち携帯電話などで連絡がつく4割程度に直接、返金を求めるほか、残る人についても受給が決まった生活保護費などから天引きする方針という。

http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100126/lcl1001261220003-n1.htm

 今年も例年通り残念な結果に終わった派遣村ですが、その後の議論も予想通りの結果になっています(例1例2)。一時金を持ち逃げしたのは一部であり、大部分は障害などの仕方ない理由で持ち逃げのような格好になってしまっただけだ、との印象論が提示されています。

 感情に訴える扇情的な論調ですが、これを大きく動揺させるような調査結果が今日の記事では示されています。つまり、一時金を持ち逃げした人が特定されており、しかもそれが100人を超える人数であったことが明らかになりました。

 100人という規模は決して一部とは言えません。こうした人々が不正にお金を受け取ったことに対して、真摯に総括すべきでしょう。政治家や官僚が同じことをすれば、税金泥棒と強く非難されます。実際に昨今では必要以上に強く非難されてきました。

 派遣村の人々は弱者だから非難してはいけない、との立場でなければ、政治家や官僚と同じ強度で、今回の持ち逃げした人は税金泥棒だと非難されるべきです。誰を対象するかによって主張を変えるような二重基準では人々の支持は得られません。

 なお、持ち逃げした111人の内訳は今日の記事では明らかにされていません。したがって、そのなかに障害などから結果的に持ち逃げになってしまった人がどれくらい含まれているのかも不明です。この意味では111人全員を税金泥棒だと判断することは正当ではありません。

 そうは言うものの、障害を抱える人が100人もいたと推定することも困難です。先に紹介した議論では、仕方なかった人もいたことが具体的事例とともに強調されていますが、そうした人々が実際に何人いたのかは明示されていません。

 個別の具体的事例を把握して議論しているかのように見せていますが、本当にそうなのか疑問に感じました。障害などの衝撃的な事例を取り上げて、かわいそうな障害者を非難する気かと言わんばかりです。弱者に関する議論ではおなじみの手法です。

 私は弱者を救いたい、との気持ちは崇高で殊勝です。その一方で、その気持ちに検証や反省を伴わなければ、自己満足や自己陶酔に陥ってしまう危険性があります。派遣村で100人を超える税金泥棒が発生した実情を踏まえて、検証と反省する作業が必要であると思いました。

正社員になりたくない派遣労働者

 今日は正社員になりたくない派遣労働者です。

派遣労働者 4割が正社員志向 自由より安定、見えぬ将来映す
2010.1.22 12:57

 人材派遣の業界団体、日本人材派遣協会が派遣労働者約1万3000人に実施した2009年度動向調査(速報)によると、4割強が、「正社員になりたい」と考えていることが分かった。景気低迷による雇用環境の悪化で先行きが不透明なことに加え、政府は労働派遣の規制を強化する方針だ。高まる将来不安の中で、安定した働き方を求める労働者が増えている。

 調査では、「今後の希望する働き方」を尋ねたところ、最も多かった回答は「正社員」で、全体の41・6%を占めた。「派遣」を希望する労働者は29・5%。派遣先企業の社員になることを前提として働く派遣契約「紹介予定派遣」は11・1%だった。

 09年度までの過去3年間をみても、正社員を希望する割合が年々上昇。「派遣、紹介予定派遣」を望む割合は減少し続けており、09年度では、07年度調査と比べて約7ポイント減の40・6%まで低下した。

 正社員の希望理由としては、「生活の安定」が目立った。特に製造業・軽作業で働く派遣労働者に正社員への希望が強い。08年秋の金融危機を発端とする世界同時不況で雇用情勢が悪化、自動車メーカーなど製造業を中心に行われた大規模な「派遣切り」も労働者の不安を高めた。

 派遣を選んだ人は、「働きたい期間や時間を選べる」といった回答が多かった。ただ、都合のいい働き方が選択できる半面、不安定な雇用形態を敬遠する層も徐々に広がっているようだ。

 賃金については、平均時給額が1353円。年収ベースで推定換算すると、260万円になるという。07年度調査に比べて12万円の減少で、派遣労働者の就労条件が悪化していることがわかる。

 政府は通常国会に、労働者派遣法の改正法案を提出する方針。仕事があるときにだけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」の原則禁止や、製造業派遣の原則禁止など規制強化が目的だ。規制が強化されれば、今後一層、正社員を希望する割合が高まる可能性もありそうだ。

 調査は派遣労働者の動向などを把握するため、07年度から実施。今回は、昨年11月1日?30日の間、インターネットによるアンケート形式で行った。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100122/biz1001221301009-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100122/biz1001221301009-n2.htm

 記事では派遣労働者のうち正社員になりたい人が4割であったことが強調されています。派遣労働者は一時的に仕方なく派遣労働者として働いているという一般的なイメージが調査によって裏付けられたことを全面に打ち出しています。

 しかし、私は、派遣労働者のなかでも正社員になりたいと思っていない人が半数以上もいる点に驚きました。このなかには派遣先の社員になりたい人も1割強含まれますが、いずれにしても正社員という雇用形態を多くが望んでいないことが示されています。

 加えて、派遣労働者のうち3割弱が積極的に派遣労働を希望しています。派遣労働者は嫌々ながら派遣労働者になっているとのイメージが強いですが、実のところそうではないことが明らかになっています。

 派遣労働者を一括にして論じることの危険性を再び痛感しました。派遣労働者は全員が正社員を希望しているわけではなく、むしろ選択的に派遣労働者になっている人も多い実情を、今後に議論では確実に踏まえていくべきだろうと思います。

ハイチへの寄付詐欺

 今日はハイチへの寄付詐欺です。

FBI、ハイチへの寄付を装った詐欺に注意喚起
2010年01月14日 10:04

 米連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation、FBI)は13日、インターネットユーザーに対し、大地震に見舞われたハイチに寄付する際には詐欺に気をつけるよう注意を促した。

 FBIは過去の事故や自然災害ではチャリティーを装った詐欺が発生しているとし、寄付の要請を受けた際は十分注意するよう注意を喚起した。

 一方的に送りつけられた電子メールについては、返信したりリンクをクリックしたりせず、発信元の団体の合法性を確認すべきだという。被災地の写真として添付されたファイルを開くと、ウイルスに感染する可能性があるという。

 また、悪用やなりすまし犯罪の被害の原因になる恐れがあるため、身に覚えのないメールには個人情報や金融関連情報を提供しないようにと注意した。

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2682392/5163392

 FBIの警告に時期を合わせるかのように、とある団体が寄付を募集し始めました。

【ハイチ大地震】日本ユニセフ協会、義援金受け付け開始
2010.1.14 13:03

 日本ユニセフ協会は14日、大地震で多数の死者が出ているハイチ向けの義援金受け付けを始めた。

 郵便振替で口座名義は「財団法人日本ユニセフ協会」。口座番号は「00190?5?31000」。通信欄に「ハイチ」と明記すれば手数料は免除される。問い合わせはフリーダイヤル(0120)881052。

 国連児童基金(ユニセフ)は、浄水剤などの支援物資1万人分を現地に空輸。被災地ではユニセフ現地スタッフが支援活動を始めており、今後毛布や医療キットなどの支援物資も到着する予定という。

http://sankei.jp.msn.com/world/america/100114/amr1001141304013-n1.htm

 ついにFBIにも目をつけられるほどの存在になったのかと思いました。

 そういえば、ふと、ホワイトバンドを思い出しました。世界の飢餓を救えと迫りながら白いゴム製の腕輪を販売した事業です。あれはどこに行ってしまったのでしょうか。ホワイトバンドを身につけている人なんて今やどこにもいません。

 いずれにしても、詐欺と言われないような支援活動を実践することを生温かく期待しています。

大卒求人倍率の推移

 今日は大卒求人倍率の推移です。

 昨今、大学生・大学院生に対する求人倍率が悪化していると言われていますが、実際のところはどの程度なのかを把握するために、過去からの推移を調べてみました。

求人総数・就職希望者数・求人倍率の推移

卒業年 求人総数 就職希望者数 求人倍率
1987 608,000 259,500 2.34
1988 655,700 264,600 2.48
1989 704,100 262,800 2.68
1990 779,200 281,000 2.77
1991 840,400 293,800 2.86
1992 738,100 306,200 2.41
1993 617,000 323,200 1.91
1994 507,200 326,500 1.55
1995 400,400 332,800 1.20
1996 390,700 362,200 1.08
1997 541,500 373,800 1.45
1998 675,200 403,000 1.68
1999 502,400 403,500 1.25
2000 407,800 412,300 0.99
2001 461,600 422,000 1.09
2002 573,400 430,200 1.33
2003 560,100 430,800 1.30
2004 583,600 433,700 1.35
2005 596,900 435,100 1.37
2006 698,800 436,300 1.60
2007 825,000 436,900 1.89
2008 932,600 436,500 2.14
2009 948,000 443,100 2.14
2010 725,300 447,000 1.62

注:求人総数と就職希望者数は民間企業の数値。
  求人倍率=求人総数/就職希望者数。
出所:リクルートワークス研究所「第26回ワークス大卒求人倍率調査(2010年卒)」

 2010年3月卒業者に対する求人倍率は1.62倍となっています。前年の2.14倍からは大きく減少しているものの、過去の推移を見ると、例年並みとも言えそうな水準です。

 巷では、求人倍率が悪化している、これは大変だ、との声が大きいですが、実際の数値を見ると、本当に大変なのかと疑問になります。むしろ、十分に高水準だと思いました。

 求人倍率の構成要素である求人総数を見ても、決して悪いと言えるような数値ではありません。バブル期の水準に匹敵しています。何が大変なのでしょうか。

 もう一方の構成要素である就職希望者数は年々増加しています。これは求人倍率を引き下げる方向に作用しますが、それでもなお1.62倍であることは評価できると思います。

 もちろん、大卒の就職に何も不安や心配がないわけではありません。求人倍率や求人総数が一定程度あろうとも、求人の内容が検討されなければなりません。

 例えば、求人のある雇用形態に、いわゆる非正規雇用が多く含まれている場合、過去よりも求人総数が増加していることは、必ずしも前向きに評価できません。

 とはいえ、求人倍率が前年より低下したことだけを取り出して議論しても意味がないことには変わりありません。求人総数やその内容に踏み込んで議論してこそ意味があると思います。

 2011年3月卒業の数値はまだありませんが、求人倍率はより減少していると推測されます。こちらも増減だけに着目して満足してしまわないように注意が必要です。

派遣村と弱者

 今日は派遣村と弱者です。

 みんな大好き派遣村ですが、今年も大好評だったようです。

“ごね得”許した「派遣村の品格」 費用は6千万円大幅超の見込み
2010.1.4 22:45

 「不平を言えば融通が利く。みんな“ごね得”だと気付いている」。4日閉所した東京都の「公設派遣村」を出た男性(34)は“村”での生活をこう皮肉った。派遣村では開所以来、行政側と入所者の衝突が絶え間なく続いた。職員の口のきき方への不満に始まり、昼食代の現金支給を求める入所者…。当初、目的だったはずの就職相談は不調に終わり、職員は最後まで入所者への対応に右往左往した。

就労相談わずか1割

 都は3日夜、この日退所した833人のうち住居を見つけられなかった685人のため、4日以降の新たな宿泊先に400人分のカプセルホテルを用意。残りの入所者には、都の臨時宿泊施設を割り振ることを決めた。

 だが、いざこざはここでも起きた。入所者の1人は冷笑を浮かべて言う。

 「その夜も『なぜ全員がホテルに入れないのか』と騒いだら泊まれることになった」

 入所者の抗議と厚労省などの後押しで、都は決定を覆す。抗議の数時間後にはカプセルホテルを追加で借り上げた。「騒ぎが大きくなったので…」と職員は言葉少なに語るのみだ。

 この1週間で本来の目的の就労・住宅相談に訪れた入所者はわずか1割。「正月休みに相談しても仕方ない。派遣村では一時金がもらえるとのうわさもあった。それ目当てで入った人も多い」との声も漏れた。

想定超す利用者

 一方で、自力で社会復帰への第一歩を踏み出した入所者も。退所を選んだ男性(67)は「入所中に友人の会社に就職が決まり、社宅に住めることになった。年末年始に泊めてもらって感謝している。食事もおいしかった」と語った。

 だが、この男性のように新たな職や住居が決まったのは少数だ。利用者数は当初の想定を超え、約6000万円と考えられていた費用も大幅に膨らむ見込み。費用はすべて国の負担で、都の幹部は「結局、政治のため」とぼやいた。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100104/biz1001042246045-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100104/biz1001042246045-n2.htm

 お酒やたばこが買えたとの喜びの声も上がっています。

就活費で酒、たばこ…「公設派遣村」悪質入所者に返金要求へ
2010.1.7 00:46

 年末年始に住居がない失業者に宿泊場所や食事を提供する東京都の「公設派遣村」で、一部の入所者が就労活動のため都から支給された現金を酒代やたばこ代に使い、施設内で禁止された飲酒などの問題行動を取っていたことが6日、分かった。都はすでに泥酔状態となった男性1人を退所処分にしたほか、悪質な入所者には退所時に支給額と領収書の差額の返金を求める方針。

 派遣村は5日、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区、4日に閉所)から大田区の都の臨時宿泊施設に移転。都は入所期限の18日までの就労活動用の交通費と昼食代として、入所者1人当たり計2万2千円を支給した(562人、総額約1236万円)。ところが、多くの入所者が活動費を受け取った直後に近くの小売店で酒やたばこを購入していたことが判明。店員は「朝から1万円札を握りしめた入所者が大勢並んで買い物に来ている。たばこがかなり売れ、酒やスポーツ紙などを購入する人も少なくない」と証言した。60代の入所者の男性は「都に提出する領収書がいらない交通費に出費したことにして帳尻を合わせたい」と話した。

 複数の入所者によると、移転した5日夜には酒を飲んだ入所者が騒ぎ、荷物が盗まれるといった騒動が発生。「みんな殺気立っていたが、現金を渡されたことで静まった」と30代男性は振り返った。施設では飲酒を禁止しており、発覚すれば退所処分となる。

 派遣村は午後4時半が施設に戻ってくる“門限”となっているが、6日は午後8時を過ぎても約100人が戻っていなかった。

 一方、都は6日、施設で生活保護説明会を開催。23区と八王子市の担当者が入所者と面談を行ったほか、就労支援のため1時間置きに最寄り駅まで送迎する貸し切りバスを用意。入所者の朝夜食に1食当たり約500円の弁当も支給した。都の当初の派遣村予算は6千万円だが、関係者は「予算を大幅に超えることは確実」と話す。

 職場を解雇され、インターネットカフェを転々としていた男性(46)は「就労活動のふりをして時間をつぶしている人もいる。本当に困窮している他の入所者が迷惑している」と語った。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100107/crm1001070048001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100107/crm1001070048001-n2.htm

 あの朝日新聞も派遣村の楽しい様子を伝えています。

東京都の派遣村200人、無断外泊 交通費2万円受給後
2010年1月7日15時0分

 住まいのない求職者を対象に、東京都が昨年末から宿泊場所を無料提供して続けている生活再建支援で、利用者約560人のうち、約200人が6〜7日、都が禁じた無断外泊をした。6日に都は宿泊施設の外へ仕事探しに行く交通費などとして、ほぼ全員に2万円を支給していた。

 都は昨冬の「年越し派遣村」の再現を避けたい国の要請で、4日まで生活総合相談を実施。しかし、約800人の利用者の多くが期間中に生活再建のめどが立たなかったため、都は継続支援を決めた。5日以降も生活再建の支援を希望した562人が同日、都の貧困者対策施設(大田区)へ入所。施設の提供期間は2週間程度を予定している。都は「利用中は生活再建に専念してもらう必要がある」として無断外泊を禁じた。

 利用者は6日から就労や生活保護申請に向けた相談を再開。施設外に仕事や住まいを探しに行くことを希望した542人には、国の財源で2週間分の交通費や食事代として2万円ずつ支給。希望人数が多かったため、事務作業を軽減しようと一括支給の形にした。領収書の提出など使途の報告を求め、目的外使用があれば返金させるという。

 受給者の多くが6日に外出したが、都が7日朝に確認した利用者数は342人。外泊の連絡は一部しかなかったという。担当者は「社会復帰のためにはルールを守る必要がある。残念な状況だ」。一方、昨冬の派遣村の実行委員らでつくる「年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会」は「現金を持ち慣れていない人が多いだけに、一括ではなく2〜3日分ずつ渡すなどの配慮が必要だった」と指摘する。

http://www.asahi.com/national/update/0107/TKY201001070240.html

 ……さて、このように活気溢れる派遣村ですが、そろそろ方法論として限界に達してきていると言えないでしょうか。つまり、派遣村にいる人々をかわいそうな人と一括りにして救済する方法の問題点が明らかになっている、ということです。

 従来から日本では、部落、在日、障害者、女性、子供、老人などが一方的にかわいそうな人、弱者とされてきました。個々人の事情や状況がどうあれ、彼らは救済するべき対象とされてきました。しかし、本当に一括りに救済すべきかどうかは正面から検討されていないと思います。

 にもかかわらず、そうした曖昧な弱者の範疇に昨今では非正規雇用の労働者が追加されるようになりました。日本で弱者ではない人は日本人正社員男性だけです。救うべき弱者の範囲が広すぎます。弱者とされる人が本当に弱者なのか、それぞれを丁寧に再検討する作業が必要です。

 個別の事情や状況を踏まえることは、しかしながら、困難な作業です。調査や確認に手間がかかるという側面もありますが、それよりも極端な事例が提示されることが多いからです。弱者であることを強く印象づけることが先行し、真摯な検討を妨げています。

 みんなの人気者である湯浅誠氏は、働きたくても働けない弱者がいるのだから救済するべきだと主張しています。その際、事例として頻繁に取り上げているのが、小さい頃から父親に性的虐待を受けていたため家出してネットカフェに寝泊まりしている未成年の女の子です。

 話を聞くだけで涙が浮かんできそうです。誰が見ても、何とか助けるべきだと言うでしょう。私もそう思います。ですが、その事例はやはり一例として検討作業をしなければならないでしょう。当然ですが、働けない弱者がみんな家出少女ではありません。

 派遣村でも全員が困っているかわいそうな人なのでしょうか。もちろん、記事にありますが、必要な人に必要なサービスを提供できた側面はあります。この点は評価すべきです。派遣村を組織した本来の理念が達成されています。派遣村を必要としている人は確実に存在しいます。

 その一方で、救済すべき対象ではなかった人が派遣村に集まっていたことは認識するべきでしょう。就職支援のためのお金が酒に消えています。これはさすがに家出少女ではないでしょう。アル中だから本人の意思とは関係なく酒を買ってしまう、本人の責任ではなく仕方ない、といった極論でも展開したりするのでしょうか。

 いずれにしても、派遣村に来たからといってひとまとめにして就職支援金などを支給する必要はないと思います。たとえ派遣村にいようとも、本来的な構成員なのかどうか、救うべきかわいそうな弱者なのかどうか、個別に検討する作業が必要です。

 派遣村を今後も継続するのであれば、このような実態について何らかの改善措置が示されるべきでしょう。派遣村の崇高な理念が一部の似非派遣村人によって否定されているような事態です。派遣村を大切にする精神が残っていれば、現状を放置することはできないでしょう。

 もっとも、とりあえず派遣村を立ち上げて、世間の注目を浴びることが目的であれば、とくに対策は必要ないと思います。有名になることで著書がたくさん売れたり、講演会もたくさん開催されたりしましたので、十分に目的は達成されたと言えます。

 今さら派遣村の実態など顧みても、これ以上の利益は生まれません。それよりも次の仕掛けを考えた方が良いと思います。結婚できない人を集めた婚活村とかどうでしょうか。当たると思いますよ。

あけましておめでとうございます!

 今年もよろしくお願いします。

自己紹介

benyamin ♂

2012年5月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

月別アーカイブ

Powered by Movable Type 5.13-ja
Support Wikipedia