常温超伝導に成功

 今日は常温超伝導に成功です。

常温で超電導状態、石栗助教成功 逆方向に電圧掛け相殺
(2010年6月29日午前7時26分)

 特定の物質を超低温に冷やした際に電気抵抗がゼロになる「超電導」について、福井県の福井高専は28日、同校の石栗慎一助教(34)が室温で同状態を作り出すことに成功した、と発表した。電流を半導体に流した際に発生する電圧を、外部から電圧を掛けることで打ち消して、抵抗ゼロの状態にするもので、石栗助教は「今は微弱な電流でしか実現できないが、大きな電流を流せるようになれば、コンピューター機器などに幅広く応用できる」と話している。

 この研究はトルコで開かれた「超電導と磁性についての国際会議」(4月25〜30日)で発表、優れた成果に贈られる特別賞の一つに選ばれた。

 超電導は金属などを絶対零度(マイナス273度)近くまで冷やすことで起こる。従来の研究は、マイナス140度程度の比較的高温でも超電導状態となる物質の開発に主眼が置かれていた。

 石栗助教は、まったく別の方法で超電導状態をつくり出した。半導体を組み込んだ回路に電流を流すと、半導体には電気抵抗による電圧が、一方向に生じる。その電圧の逆方向となる電圧を外部から掛けることで、互いの電圧が相殺し合う格好となり、電気抵抗ゼロの状態となる。

 通常、電圧ゼロの状態では電流は流れないが、特殊な電源装置「電流源」を使うことで、電圧ゼロの状態でも電流が流れ続けるという。石栗助教は室温以上の温度で超電導状態が継続することを理論上確かめたほか、実際に実験でも、半導体の電圧がゼロになることを確認したという。

 この回路のシステムは電子機器の基盤などで再現可能で、実用化すれば「ノートパソコンや携帯電話の電池の消耗を抑えたり、より反応速度を上げるなど、電子機器に広範囲に応用できる」(石栗助教)という。

 ただ、現状では10マイクロアンペア程度の微弱な電流でしか超電導状態がつくられていない。コンピューター機器などに応用するには、1千倍程度の電流で実現する必要があり、石栗助教は「大きな電流で超電導状態がつくれれば、損失ゼロの送電線なども可能になる。システムの大型化などの課題もあり、まだいくつもの技術革新が必要だが、開発の端緒にはなるのではないか」と話している。

 国際会議では、超電導研究の世界的権威、秋光純・青山学院大教授から「実験、理論が完全に認められたわけではないが、頑張っていただきたい」と声を掛けられたという。

 研究成果は近く論文にまとめ、海外の学術誌に発表する。

http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news0/index.php?page=article&storyid=22208&storytopic=1

 これは意外にすごい発見なのではないかと思いました。通常は超低温でしか発生しない超伝導を常温でも起こすことは、超伝導が発見された20世紀初頭から多くの科学者が目指してきた目標です。それがついに実現するかもしれません。

 超伝導は以前にも実験データの捏造事件との関連で取り上げました。従来の研究は、超低温でなくとも超伝導を発生できる物質を発見することに力を入れていましたが、今回の事例では電圧を制御することで超伝導を発生させています。研究方法が独創的だと思いました。

 その一方で、これはエネルギーの効率化という点からは評価できるのかと疑問に思いました。記事にもあるように、超伝導の実用的な意義は、例えば、抵抗による損失なく送電できる点です。しかし、今回の事例では、電気抵抗ゼロを実現するために別方向から電圧をかけなければならず、送電以外に電力を必要としています。これでは超伝導による効率化が相殺されてしまいます。それでも、超伝導を発生させるために超低温状態を作り出すよりも、はるかにエネルギーは少ないのでしょうが、まだまだ課題は多いと思いました。

 また、まだ論文として発表されていない点も心配です。実験方法や実験データなどについて多くの研究者による検証作業を経ていません。したがって、現段階ではこの人がデータを読み違えて勘違いしている可能性もあります。かつての論文捏造事件でも、検証作業の過程でデータの改ざんが明らかになりました。今後の検証作業が待たれます。

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benyamin ♂

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