『日本の不平等』

 今日は、大竹文雄『日本の不平等 格差社会の幻想と未来』(2005年、日本経済新聞社)を読みました。

 衝撃的な本でした。日本の格差問題について、基本的な実態がほぼ網羅されていると思います。本書において格差問題に関する議論は完結したと言っても良いくらいです。もちろん、格差への対応策についてはまだ検討すべきですが、その前提となる実態把握は本書で確定したと評価できます。

 本書は、乱暴に要約すれば、以下のような論点あるいは結論で構成されています。

  • 日本のマクロ的な所得格差は、高齢者層というミクロにおける所得格差が方向付けている。
  • 所得格差が拡大しているとの一般的な認識は、現状の格差ではなく将来に格差が拡大するとの予想に基づく。
  • 所得格差の主要な原因である賃金格差は、不景気下で就職した若年層において、雇用形態や就職先企業規模によって生じている。
  • 日本人は、たとえ生涯賃金が多くなろうとも、成果主義賃金ではなく年功賃金を好む。

 以上のような内容を、実証的に明らかにしています。

 このような本が2005年に発表されていたとは驚きです。ちまたの格差論議ではいったい何を議論していたのか、と強い疑念を感じざるをえません。

 同時に、そうした議論に引きずられていた私自身、不勉強さを恥じる次第です。いまさらながら。あらためて。

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benyamin ♂

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